1年に一度、ほんの短い間だけの旬の手仕事「梅しごと」。梅は熟度によって用途が異なるので、梅仕事は使いたい用途や好みの熟し具合にあわせて、タイミングをはかる必要があります。青く硬い実は梅肉エキスや梅酒、梅シロップに適しています。用意した青梅が大量に余ったり、梅肉エキスで使った青梅の残った搾りかすは、捨てずにジャムにしてみましょう。

また、梅は追熟できる反面、ちょっとタイミングを逃すと青梅が黄色く熟してしまうこともあるから注意が必要です。梅酒用に青梅を用意していたのに少し熟してしまった!という時や、黒い斑点があったりなど見た目があまり良くないものは、その梅を使ってジャムを作ってみませんか?

毎年梅酒や梅ジュース(シロップ)を作る方は、そこにさらにひと手間加えて、漬けていた梅(エキスが出た後の梅)を使って梅ジャムを作るという方も多いようです。もちろんこれも美味しくできるのですが、フレッシュな生の青梅をから作る青梅のジャムは、また格別。かすかな苦みと甘酸っぱさが奥の深い、大人味の青梅ジャムは、この時期だけの季節限定味です。

材料

  • 有機青梅
  • 有機砂糖  青梅の重量に対し50~80%程度
    *砂糖は三温糖や甜菜糖など好みのものでOKですが、茶色っぽいものはジャムの色に影響するのでグラニュー糖タイプのものをオススメします。アガベシロップや蜂蜜でも可能です。

道具

  • 竹串
  • ざる
  • 鍋 (ホーロー製や耐熱ガラス製)
  • 木べら
  • フードプロセッサー(なめらかに仕上げたい場合)

梅肉エキスの搾りかすからの作り方

1.すりおろした青梅を漉し布などを使って汁を搾る。

2.搾り汁は「梅肉エキス」作りに。残った搾りかすを計量する。搾りかすの50~80%程度の砂糖を用意する。
※1.5kgの梅から500g程度

3.鍋に青梅の搾りかすを入れて加熱し、砂糖を1/3~1/2ずつに分けて加えながら、とろりとなるまでコトコトと煮る。

タイミングを逃した青梅からの作り方

1.梅をきれいに水洗いした後、半日程度水に浸しておく。その後水気をふきとり、竹串で梅のなり口のヘタを取り除く。

2.鍋にたっぷりの水を入れて下処理をした梅を軽く茹でこぼしアク抜きをする。これを2~3回ほど繰り返す。
※指でつぶせない固い青梅は少し長めに茹でてください。

3.ザルにあげて水気をきり、果肉と梅の種を分ける。
※種に取りきれない果肉がついているので捨てずにとっておき、梅ジュースを作っても◎

4.果肉を適度な細かさに刻む。
※なめらかに仕上げたい場合はフードプロセッサーなどで細かくしてください。

5.鍋に果肉と砂糖の1/3の量を入れ中火で煮る。煮立ってきたら弱火にし、残りの砂糖の半分の量を加える。最後に残っている砂糖を全部加え15~20分程度煮てとろりとなってきたら出来上がり。
※アクが浮いてきたら適宜丁寧に取り除く。

6.熱いうちに保存容器に移し替え保存する。
※保存容器は煮沸消毒などで殺菌しておく。

Styling / Photo / Recipe / Text : Aki Sato