早春の時期だけにしか味わえない、蕗の薹(ふきのとう)。ちょうど雪解けの時期に畑や田んぼの土手など、土の中から顔を出し始め、春の到来を感じさせてくれます。花が咲いてしまうと食用に適さないため、ふきのとうが味わえる時期はほんのわずか。ふきのとうと、煮物や佃煮などでおなじみのフキは、別のもののようで、実は同じ植物なんですよ!ふきの開花前のつぼみ、花蕾の部分が「ふきのとう」で、通常食用としている「ふき」は、花が咲いたのちに長く伸びた、葉柄の部分をさします。

ふきのとうには独特の香りと苦みがあります。水に漬けてアクを抜いたり、熱湯でさっと茹でることで苦みも少し和らぎますが、この苦み成分はフキノール酸をはじめとするポリフェノール。せっかくの成分、そしてこの独特のほろ苦さを無くしてしまうのはもったいない!アク抜きはほどほどに。定番の天ぷらはもちろん、味噌汁に加えたり、ふきのとう味噌にするのもおすすめです。この時期だけの、早春のほろにが味を楽しみましょう。

材料

  • ふきのとう

道具

  • ボウル

作り方

1.ボウルに水を入れ、ふきのとうを浸しながらよく洗い、土やゴミを取り除く。内側も良く洗い、軽く水にさらしておく。

2.褐色になっている根もとの黒い部分と、外側の硬い苞(ガク)を1~2枚を取り除く。
※ガクが硬かったり傷んでいたら、部分的にカットするか、そのガクごと取り除いてください。

3.水にさらした後ざるにあげ、内側に水がたまらないように下を向けてるようにして水気を切る。

【下茹でする場合】
鍋にたっぷりのお湯を沸かし(1L)、塩(小さじ2)を入れて下処理したふきのとうを茹でる。できるだけ褐変を避けたい場合は、30秒から1分程度、さっと茹でて、すぐに冷水にとる。
※つけていた水にアクが出てきたら適宜変えてください。
※色を気にせずしっかりアク抜きしたい場合は3~4分程茹でてください。

※茹でるときは、浮き上がってくるのをできるだけ防ぎながら茹でないとすぐに変色していきます。ゆであげザルを押しながら水面に出ないようにしたり、ペーパーで作った落し蓋等で水面に出ないようおさえながら茹でることをオススメします。褐変がまだらになってしまわないように、ふきのとうを上下変えながら手早く茹でましょう。

※上の写真は、ふきのとうがやや開いているもの、開いているものを同じように茹でたものです。切り口などが空気に触れるとすぐに褐変していくのと同じように、普通に茹でるとあっという間に褐変します。特に苞の内側の雄花、雌花はすぐに変色するので、生のまま天ぷらなどにするのがおすすめです。茹で方を失敗して茶色くなっても食べられます。見た目に問題の無い蕗味噌などにするなど活用してください。

Styling / Photo / Recipe / Text : Aki Sato