4月から5月頃に旬を迎えるそら豆。主にまだ緑色の未熟な状態のものを食べるので、美味しく食べられるのは短い期間に限られています。「食べごろは3日」とも言われています。中の豆の黒い筋の部分、通称「お歯黒」は、熟するほど黒くなっていきますが、店頭に出始めのものはまだ薄い色であることが多いですよね。ちなみに、お多福豆など煮ものに使う乾物のそら豆は、熟したものを乾燥させたものです。

大きくて厚く頑丈なそら豆の鞘の内側には、ふわふわとした綿のようなものがあり、その中に通常2~3粒の豆がおさまっています。鞘のままの重さやボリューム感、見た目のわりに可食部分となる豆は少ないです。スーパーでは、家で鞘から豆を取り出す手間が省けてゴミも出ずかさばらない、あらかじめ豆を取り出したものが販売されていますが、デリケートなそら豆は、さやから出して空気に触れた途端に、鮮度が落ちてどんどん劣化が始まってしまいます。美味しいそら豆を食べるなら、やはりとれたてで新鮮な、鞘付きのままのものを選ぶようにしましょう。

材料

  • 有機そら豆(さやのままのもの)
  • 自然塩

道具

  • ざる

作り方

1.そら豆の鞘を剥いて中の豆を取り出し、軽く洗っておく。

2.そら豆の1つ1つに包丁で1~2cm程度、黒い筋(お歯黒)と同じ角度に切れ込みを入れておく。黒い筋上でも、逆側に入れても良い。

3.鍋にたっぷりのお湯を沸かす。沸騰したら水1リットルに対し20g程度の塩を加え、2の下準備をしたそら豆を入れて2~3分、好みのかたさに茹でる。

4.茹であがったそら豆をざるにあげて水けをきり、そのまま食卓へ。アツアツのうちに皮を剥いていただこう。その他料理の材料として使用するなど、そのまますぐに食べない場合は、水にさらさずそのままざるの上で粗熱をとること。

※そら豆の青い香りを消したい場合は、塩と一緒に酒を大匙1程度加えて茹でる。香りが気にならなければ、塩のみでOKだ。切れ込みを入れるのは、食べるときに皮を剥きやすくするとともに、火を通りやすくするため。水っぽさが気になる場合など、切れ込みを入れなくても良いが、その際は茹で時間や塩の量などを調整すること。

Styling / Photo / Recipe / Text : Aki Sato