精進料理の一品としても知られる胡麻豆腐。名前の一部に「豆腐」がつき、その見た目もよく似ていますが、主な原料は胡麻と葛粉で、大豆が原料のお豆腐とは別物です。スーパーではそのまますぐ食べられる胡麻豆腐も売されていますが、高価な国産の「本葛」のみを使用しているものは少なく、葛粉だけでなく甘藷でんぷん、加工でんぷんもあわせて使われることも。中には増粘剤などを使用しているものもあります。本来は葛を練ることで、あのぷるぷるの食感と弾力になるので、増粘剤など使う必要ないのですが・・・。

胡麻を煎り、ペースト状にするところからつくられる胡麻豆腐。一からつくろうとすると、ゴマをするだけでもかなりの時間がかかってしまいます。その後、手を休めることなく練り続けること20~30分。使用する食材も作り方もシンプルなのですが、実はとても手間暇のかかる料理なんですね。時間に余裕のないときには、練り胡麻(胡麻ペースト)を使って時間を短縮し、胡麻豆腐を手作りしてみましょう。使用するのはもちろん国産の本葛粉。「葛粉」として販売されているものの中には馬鈴薯でんぷんなどを加えているものも多いので、必ず葛100%の「本葛」を選んで!

材料

  • 有機練り胡麻(ゴマペースト)    75g
  • 本葛粉(葛100%)       50g
  • 昆布だし汁   600ml
  • 自然塩   小さじ1/2

※わさび・淡口しょうゆ

道具

  • 木べら
  • ゴムべら
  • ボウル
  • こし器(目の細かいざる)
  • 型(150×135×45mm)

作り方

1.塊状の本葛は、あらかじめ細かく粉状に砕いておく。

2.だし汁(冷ましたもの)に、練り胡麻(ゴマペースト)、葛粉、塩を入れ溶き混ぜる。こし器で漉しておく。

3.2を鍋に移し弱火で加熱。手を休めることなく、木べらで常にかき混ぜながら20分~30分ほど、ポタポタととろみがついてくるまで練り上げる。

4.さっと水で濡らした型に入れる。鍋についているものをゴムベラで丁寧にとり、表面をならす。気泡が入らないよう、型をトントンと落として空気を抜く。粗熱が取れたらラップをして冷蔵庫で3~4時間程度冷やし固める。

5.型から出して食べやすい大きさにカットする。
※盛り付けの際には、底面が上になるようにして器にのせると表面がきれいです。お好みでワサビをのせ、お醤油をかけてお召し上がりください。

Styling / Photo / Recipe / Text : Aki Sato