春の山菜の代表的存在、蕨(わらび)。わらびは、山菜特有のアクとえぐみがあるためそのままでは食べることが出来ません。わらびは採取後時間がたつと茎のほうから硬くなるため、できるだけ採取後すぐにアク抜き処理しましょう。薪で火を起こしていた時代は、どこの家にも身近にあるものだった「灰」を利用し、灰に含まれる成分、炭酸カリウムのちからで蕨のアク抜きをしていました。近年では灰を入手することが難しいため、代わりに重層などを用いてアク抜きをすることも多いようです。今でも山などで自生しているわらびを農家さんからおすそ分けしてもらったり、自然食品店などで購入したりすると、たまに蕨の根元が黒いことがありますが、それは土や泥ではなくおそらくは灰だと思います。あらかじめ切り口の部分にワラ灰などをまぶしていることも多く、また、一掴み分を一緒に入れてくれていることもあります。今でも脈々と受け継がれている昔ながらのアク抜き法です。

材料

  • わらび
  • 灰  一握りぶん

道具

  • 角バット(またはボウルなど)

作り方

1.生の蕨を水洗いして、土やほこりを洗い落とす。

2.根元のかたい部分を落とし、バットに蕨を並べ、灰を軽くまぶす。

3.バットに沸かしたお湯を、蕨がひたひたにつかり隠れる程度まで注ぎ、一晩(6~8時間程度)置く。蕨が浮き上がってくるような場合は、重石をしておく。

4.灰汁の出たバットの水を捨て、蕨を水ですすぎ、再度きれいな水にさらす。水が透明になるまで、何度か水を替えてアクを完全に抜く。そのまま水の入れた容器で冷蔵庫に入れて保存。1週間以内位を目安に食べる。

Styling / Photo / Recipe / Text : Aki Sato