ビタミンやミネラルの宝庫「ひじき」。とりわけ鉄分が豊富とされていたひじきだが、2015年12月25日付の文部科学省発表で、「日本食品標準成分表」に記載のひじきの鉄分含有量が、今まで可食部100gあたり55mgとされていたものが改訂版では6.2mgと、激減したことが明らかになり、大きな話題となりました。これは、「鉄釜」から「ステンレス釜」へと時代の流れに伴い調理器具が変化したことによるもの、とされています。

乾燥ひじきの製造工程は各社様々ですが、概ね刈り取ったひじきを干して乾燥させ、加工業者が洗浄、水で戻す等の作業をし、釜で加熱し、また乾燥させています。そう、ひじきはいったん加熱してまた乾燥しているのです。この加熱の工程、ひじきを蒸したり煮沸したりする際に用いられる釜が、「鉄釜」から「ステンレス釜」になった、ということなんですね。ちなみに、通常「生ひじき」と書かれて鮮魚売り場などで販売されているものも、海からとってきた生のひじきをそのまま提供しているのではなくて、一度加熱加工された乾燥ひじきを、また戻したものであって、本当の「生」のひじきではないことは覚えておきましょう。

今回のニュースによって、ひじきは鉄分が多いという話は嘘だったのか、、、と嘆くネガティブな声が多く聞かれましたが、食物繊維やカルシウムなど他の栄養成分においては優秀なことは変わりません。乾燥ひじきは乾物ですから。保存食として常備しておき、サラダや煮物、炊き込みご飯やみそ汁など、日常の食卓に上手に取り入れたい食材です。

材料

  • 国産ひじき(乾燥)       30g (戻すとおよそ250g~300gになる)
  • 有機人参                150g
  • 有機油揚げ      1.5枚
  • だし汁        400ml
  • 有機醤油       大さじ3~
  • みりん        大さじ2~
  • 油          適量

※甘めにしたい場合は砂糖を適量(大さじ1~)プラス

道具

  • ざる
  • ボウル

作り方

1.乾燥ひじきはザルに入れ、ボールの水でさっと洗い、ゴミなどがあれば取り除く。たっぷりの水(およそ20倍の量)に30分程度浸して戻しておく。戻ったら、ざるにとって流水で洗う。※長ひじきなどの場合、食べやすい長さに切る。油揚げは熱湯をかけて油抜きして置く。縦半分に切ってから細切りにする。人参は2~3cm程度の長さに千切りにする。

2.鍋に適量の油をひいて、人参、油揚げ、ひじきを軽く炒める。

3.出し汁を加えて煮る。ひと煮立ちして灰汁が出てきたら取り除き、醤油、みりんを加えて全体を混ぜて煮る。
※好みの味付けになるよう、適宜味見をして調味料の量を調整する。

4.ときどき箸で混ぜながら汁気がなくなるまで煮る。途中、味がしっかり染み込むよう、落としぶたをして煮あげる。

Styling / Photo / Recipe / Text : Aki Sato