昔は梅干しは自家製があたりまえでした。いつの間に、梅干しは「漬けるもの」から「買うもの」になってしまったのでしょうか?それに加えて、合成着色料できれいな赤色にしているもの、人工甘味料や化学調味料などを使用した液につけた、いわゆる「調味梅干し」の、なんと多いことか。ところが、嬉しいことに、ここ1~2年、食の本来ある姿を見直す原点回帰の流れから、旬の梅仕事を楽しむ人が増加中です。気軽に家庭でつくれるように、梅干しの漬け方を教えるワークショップや料理教室なども好評で、今年は特に「自家製梅干し」に初チャレンジ!という方も多いようですね。自分でつけた梅干しの味は格別。化学添加物は一切入らない自家製梅干づくり、まずは少量からでもチャレンジしてみてください。

材料

  • 有機梅 2kg
    *できれば有機や自然栽培のものを選ぼう
  • 下漬け用粗塩 360g(18%)~400g(20%)
  • 塩もみ用粗塩 80g (赤紫蘇の20%)
  • 赤紫蘇の葉 400g (梅の20%)

道具

  • 保存容器(漬物樽、甕、ガラス容器など)
  • 重石
  • 蓋用に紙と紐
  • ボウルや樽など(紫蘇の下処理など)
  • 焼酎またはホワイトリカー(35度以上のアルコール)
  • ざる(土用干し用)

作り方

1.下準備

梅が出回る5月下旬~6月中旬頃。

梅は熟しすぎず、キズの少ないものを選ぶ。青い部分がある半熟の梅は1~2日おいて追熟させておく。アク抜きのため一晩水にさらしておく。
水で梅を丁寧に洗い、水気を軽くとり、なり口のヘタを竹串で丁寧に取り除く。この時、梅の実を傷つけないように注意すること。
容器や中ぶた、重石は、あらかじめ熱湯消毒し自然乾燥させる。焼酎またはホワイトリカーで、アルコール消毒しておく。

2.塩漬け

容器の底に塩ひとつかみを薄く散らし、梅、その上にまた塩、梅と交互に入れていく。塩は上に行くほど多めに入れる。全て入れ終わったら、中ぶたをのせ、その上に重石をのせる。容器の口は紙でふさぎ、紐などでくくって蓋をしてから冷暗所で保存する。5~10日すると、白梅酢があがってくる。白梅酢があがり梅にかぶる頃になったら梅がつぶれないように重石を外し、落し蓋のみにし、容器に蓋をしてそのまま赤紫蘇が出回る時期6月下旬~7月上旬頃まで、冷暗所で保存する。

※赤紫蘇漬けにしない場合は、梅雨明けを待つ。
※赤紫蘇に漬ける前に、白梅酢は捨てずにとっておく。
※20日以上寝かせて土用を待つ。

3.赤紫蘇漬け

【赤紫蘇下準備】
①赤紫蘇は葉を摘んで水洗いしておく。
②赤紫蘇の葉に塩をまぶして揉む。紫色のアク汁が出たら紫蘇を搾ってアク汁を捨てる。これを2回繰り返してアク抜きをする。
③アク抜きした赤紫蘇をほぐし、白梅酢を200cc程度加えると、白梅酢が赤い色に染まる。(赤梅酢)

【赤紫蘇漬け】
①赤く発色した赤紫蘇をすき間なく塩漬けの梅にのせる。
②残った赤梅酢を加える
③中ぶたとその上に重石をのせ、冷暗所で梅雨明けまで保存する。

4.土用干し

7月中旬頃、梅雨明けの天候の良い3日間を選んで土用干しを行う。ざるの上に梅を一粒ずつ重ならないように並べる。汁気を絞った赤紫蘇もざるに並べ、日当たりと風通しの良いところで干す。時々裏返してまんべんなく日光に当てる。夜は梅酢に戻す。3日間連続でなくても良いが、晴れた日に行うこと。3日繰り返して三昼夜天日干しをする。干しあがった梅は容器に入れて熟成、保存する。

Styling / Photo / Recipe / Text : Aki Sato