薬膳料理やアジアンスイーツに使われていることで知られる、蓮の実(蓮子)。豆のような見た目の蓮の実ではありますが、スイレン科の多年草、蓮(ハス)の種子です。昔から仏教と深く結びつき、大切にされてきた蓮。池や沼の水面を覆うように広がり、夏に開花時期をむかえ美しい花を咲かせてくれます。この蓮の花托(かたく)部分、蜂の巣のような穴に入っている種子が「蓮の実」なのです。

完熟したハスの実を乾燥させた蓮子は、健康や美容をサポートする漢方や生薬では「腎」を強くし、胃腸が弱く疲れやすいときなどに用いられています。また、心を穏やかにする働きも!そんな蓮の実は、アジア圏では日常の食事やおやつ、デザートなどに幅広く使われています。

写真は、台湾で購入した「有機蓮子」。日本で中華食材として販売されているものは、たいてい茶色の皮の部分は完全に剥かれていますが、皮が残っているものもあります。

また、穴が開いていて芽取り済みに見えても、中に芽が入ったままのものもあります。この芽の部分は蓮心(れんしん)といって漢方でも使われていますが、苦いので下処理してからいただくようにしましょう。

材料

  • 蓮の実(乾燥)

道具

  • ざる
  • 竹串

作り方

1.蓮の実を水で洗い、軽く汚れを落とす。

2.アクが出るので、1~2回ほど茹でこぼした後、20~30分程度たっぷりの水で茹でる。
※炊き込みご飯や鍋などさらに加熱調理する場合は、15分程度かために茹でるなど調整してください。

3.ざるにあげて、穴から緑の芽が見えているものは、竹串を入れて押し出す。

4.茶色い皮の部分は茹でてるうちに自然に取れていくが、残っている部分は竹串などで軽くこすりとる。シロップ煮にしてデザートにしたり、お汁粉やスープ、鍋物や炊き込みご飯などにも◎

Styling / Photo / Recipe / Text : Aki Sato