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春雨のスープに春雨サラダ、麻婆春雨にチャプチェ・・・春雨(はるさめ)は、日本の食卓でもおなじみの食材です。特にここ数年大ヒットとなった、インスタントのカップ春雨スープは、いまやコンビニやスーパーのインスタント食品売り場ではでも定番商品となっています。

もともと春雨は中国が発祥の食べ物で、中国語では「粉条(フェンティアオ)」といい、「春雨(はるさめ)」は日本で名付けられました。また、粉条(春雨)は緑豆の澱粉からつくられるものですが、日本で販売されているものの多くは、甘藷でん粉(さつまいものでんぷん)や、馬鈴薯でん粉(じゃがいものでんぷん)で作られたものです。

スーパーの売り場でよく見てみると、中国から輸入された春雨には「緑豆春雨」と書かれているものが多いですね。(中国産でも緑豆以外の澱粉で作られているものもあります。)

いろいろあるけど、やっぱり国産の春雨を選びたい!ということで探してみると、自然食品店などで販売されているこだわりの国産春雨も、国産甘藷澱粉、国産馬鈴薯澱粉を使った無添加(増粘剤や漂白剤、ミョウバン不使用)というもの。国産緑豆100%の春雨というものが見当たらないのです。現段階では、緑豆100%春雨も、甘藷澱粉と馬鈴薯澱粉で作られた国産の春雨も、オーガニック認証されたものは残念ながら流通していません。

春雨のように身近な食材だと思うようなものでも、やはり有機原料が入手できないとオーガニック製品として流通させるのは難しいもの。私たち消費者がオーガニックの緑豆春雨を食べることができるようになるためには、中国で生産された有機JAS認証を取得した緑豆を使い、認証工場で生産したものを輸入する。あるいは有機認証の原料を日本に輸入し、日本の認証工場で加工する・・・ということが必要となってきます。

さらに完全に国産のものにするには、日本で有機緑豆の生産からスタートして、澱粉に加工し、春雨を製造するところまですべて国内有機認定の生産工場で行うことが必要に・・・。オーガニックの緑豆もやしが流通するようになったので、いつかは有機認証の「オーガニック緑豆春雨」なるものが誕生するかもしれませんが、その道のりは、まだ遠いようです。

欧米では「グルテンフリー」人気が続いていますが、春雨も小麦を使用していないためグルテンフリーの部類に入ります。欧米ではオーガニックの黒豆や小豆でつくった麺などが、グルテンフリーヌードルとしてたくさん商品開発されています。春雨を食する文化のあるアジアからではなく、もしかしたら欧米からの逆輸入?というかたちで実現するかも?

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。