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お財布に優しい野菜の代表格「もやし」は、栄養満点で美味しいうえ、価格の水準も安定している食卓の心強い味方ですよね。大豆もやし、黒豆のもやし(ブラックマッペ)といった種類もありますが、最も生産量が多く市場に出回っているのは「緑豆もやし」です。

このもやしの原料となる緑豆のほとんどは、海外から輸入されています。原料が高騰する一方で販売価格は上がらず、国内のもやし生産者が悲鳴をあげているという話も聞きますよね。そんな中、数年前に有機認証もやしの販売が開始されました。

従来は、有機農産物は「土壌の性質に由来する農地の生産力・・・」つまり、生産に土を必要としない、スプラウト類(もやし、貝割れ大根、豆苗など)は、有機認証の対象外だったわけですが、2015年12月3日に改正された「有機農産物の日本農林規格」(平成27年12月3日農林水産省告示第2597号)が、翌2016年1月2日に施行され、これにより、もやしやスプラウト類が有機農産物の仲間入りし、日本で“オーガニックもやし”が誕生したのです。

では、もやしはどのようにつくられるのでしょう?

一般的には、概ね

洗い⇒種子消毒⇒浸漬⇒栽培⇒根切り・洗浄・脱水⇒袋詰

といった工程になります。

有機認証の場合、組換えDNA技術を用いて生産されたものでない種子であることや、種子に対し、次亜塩素酸水(食塩水を電気分解したものに限る。)以外の資材を使用していないことなど、基準が定められています。また、生産資材は水と培地で、培地は天然物質または化学処理を行っていない天然物質に由来するもので、かつ、肥料、農薬その他の資材が施されていないもの。遺伝子組み換え技術は用ない。人工照明は用いないことなどが定められています。

家庭でも、種子(緑豆)があれば、簡単に作ることができます。海外産になりますが、有機の緑豆も販売されていますよ。特別な道具がなくても大丈夫です。

まずは、洗った緑豆を一晩水に浸します。

種が割れて発芽が始まったら、2~3回すすぎ洗いして、ざるなどで水気をきり、遮光して育てます。栽培期間中は1日数回流水ですすぎ、種子の水分を切らさないようにします。

2日後

3から4日でだいぶ「もやし」らしくなってきました。

5日から7日で食べごろに!

わずか100gの緑豆が、あっという間にボウル山盛りに!重さをはかってみたら850gほどになっていました。

流通してる有機緑豆の乾燥豆は、だいたい500g入りで600円~700円ほど。(売価) およそ8倍に育つので、自家栽培なら1袋30円くらいでできる?という計算になりますね。多少の手間ひまはかかりますがお得感はあります。ただし、家庭では温度管理や衛生管理が適切に行えない可能性もあります。細菌が繁殖するリスクもありますので十分な注意も必要です。

一般のもやしが20円~30円のところ、有機のもやしは200g入りで60円以上、一般の2から3倍の価格で販売されています。有機もやしは高い!?と思っている皆様も、一度自分で育ててみると、もやしの流通価格にきっと疑問を感じることでしょう。豆の原価はもっと安いとしても、資材、製造費、人件費、包材、流通費などがかかることを考えると・・・

有機もやし60円でも安すぎる、と思いませんか?

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。