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来週末に「ソンクラー」と呼ばれる水掛祭りを迎えるタイは、燃えるように暑い。

ところが、毎年、食欲ゼロのこの時期が来ると、食いしん坊たちは「カオチェー食べたい」とレストランをハシゴする。バンコクでタイレストラン「カオチェー」と検索すると、いろいろな店案内が出てくる。カオチェーはタイ人なら誰でも自慢しちゃう宮廷料理で、日本でいえば御節料理というところかもしれない。

先日、スーさんに誘われて、王宮近くのTree houseというレストランに「カオチェー」を食べに行った。普段は南部料理の店で、オーナーが凝りに凝って料理を提供している。

これがカオチェーである。スーさんによると、この料理の由来は「昔、ビルマからお嫁に来たお姫様が、暑さで食欲を失っている王様に、なんとか食べていただこうと考案したもの」なのだそうだ。

ジャスミンウォーターのご飯

単なる水茶漬け?なんて下品ものではなく、ジャスミンの花を水に浮かべて一晩おき、香りを移した水が使われてる。ご飯も炊いたジャスミンライスを水洗いし、決してジャスミンウォーターが濁ってはいけないし、氷もかき氷みたいにいっぱい入れたらダメと、タイマダムたちはコダワル、コダワル。

正直いうと…ジャスミンウォーターは化粧水のようで、最初は苦手だったのだが、この頃は、微かに匂う花の香りに、食欲をそそられる。

おかずの方は天麩羅系だが、そんな簡単なものではなく、それはそれは手が込んでいるんだと、作り方も教えてくれない。なんでもすべて「金」をイメージして作られたもので、金糸の布、金の鎖、金貨を表しているという。

味は、写真上部の細長いのは、肉が詰め赤唐辛子揚げ。右上のボール状は、魚をほぐしココナッツシュガーやカピやらを、ともかく練りに練って卵をつけて揚げたもの。その横はハムのようなものが入った春巻系。下のモジャモジャは、干した肉と魚。黒い種みたいなのは、不思議にもキャラメル風味なのだが、コレも魚がベースになっている。その上が切り干し大根の甘煮、エシャロットのフライ。中央の青い唐辛子は肉を詰め蒸し、周りに卵を揚げたヒラヒラで巻いて黄金感を出している。

カービングのタイ野菜

国が違えば作法も違う。お茶漬けの上に物を置いて食べるのではなく、揚げ物と茶漬けは交互に食べる。そして箸休めにカービィングしてある野菜の花の花びらをポチッと折っていただく。決してかじってはいけない。ほんものと見間違うような出来だ。

てっきりデザートかと思ったスイカはなんとスターター!鱈のフリカケみたいなのをまぶしていただく。

「カオチェー」は6月ごろまで食べることができる。この大連休、タイに来る方はぜひどこかで味わってほしい。激辛&パクチーとは違うタイ料理もあるのだ。しかし残念ながらビーガンもオーガニックも、まだ見かけない。

そこで、ほのかな辛味をグリーンカレーで代用してビーガンバージョンを作ってみた。

米粉と椎茸はオーガニック。米油もオーガニック申請中、グリーンカレーはビーガン対応だ。グリーンカレーはタイのハーブがぎっしりペースト状になっているものだから、天ぷらも無理なくタイ風味になる。それになんだかスナックとしてビールもあいそう〜。

ご飯はジャスミンの花はいれず、いつものキビご飯に、水と氷を入れただけだが、十分、清涼感を味わえた。

ビーガンカオチェー

  • 炊いたご飯 1/2ワン
  • 水と氷   適量


ご飯は水でさっと洗い椀に入れ、水と氷を入れる

カレー入り溶き粉

  • 米粉   40g
  • 王国のグリンカレーペースト 大さじ1
  • 水    60g
  • 椎茸
  • 板もずく
  • 乾燥湯葉
  1. 米粉にカレーペーストを入れて水でとく。
  2. 湯葉は乾燥したまま、もずくもシートのまま、適当な大きさにして、溶き粉を絡め揚げる。(大葉の要領)
  3. 椎茸も天ぷらの要領であげる。

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タイの昔のレシピで調合、辛さとハーブがミックスされた本場のタイカレーペースト。
バンコクの約400店舗のお店がこのペーストを使用しています。 タイ語でグリーンカレーは「ゲンキョウワン」といい、甘いカレーと言う意味です。本来はココナッツミルクの甘みを楽しむカレーとして作られ、砂糖は使われていませんでした。この商品には、動物性食品、油脂、砂糖は使用されていません。

原材料:青唐辛子、ガーリック、レモングラス、ガランガル、カフェライム、シャロット、胡椒、塩
内容量:50g
価格:432円(税込)

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木幡恵プロフィール

20代でマクロビオティックに出合い、30代で雑穀に出合い、50代でタイに出会ってしまった料理クリエイター。ストイックだけど大胆、本気だけど本音であることがたいせつだと思っている。料理活動の場はバンコク。ベジを基本にアジアの調理法を盛り込んだ料理クラス「gaiatable」を主宰。

タイ語のマガジンHEALTH &CUISINEと日本語のタイ情報誌のDACOにレシピを連載中。
自身が企画した商品をヤムヤムから販売している。

■つぶつぶクッキング
■無発酵の雑穀パン
■雑穀つぶつぶクッキング
■おいしいマクロビィオテック (タイ語)
■タイの料理雑誌HEALTH&CUISINE(タイ語)
■タイのマガジンDACO 料理エッセイ「大地のめぐみ」(日本語)

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