バナナを買うときに何を見て選びますか?原産国?ブランド?その他、販売価格や色、カタチ、熟度・・・選ぶ基準は人それぞれ。日本で流通しているバナナの中には、一部沖縄産の島バナナなど国産もありますが、ほとんどがフィリピンや台湾、メキシコ、エクアドルなど海外からの輸入バナナです。

輸入の果物で心配されるのが収穫後に使われる殺菌剤や防カビなど、いわゆる「ポストハーベスト」の問題ですね。日本ではポストハーベストは、食品添加物に該当します。食品衛生法第10条の規定により、指定されていない添加物(ポストハーベスト)については輸入禁止とされています。レモンやオレンジなどの柑橘系の場合はポストハーベストが使われることも多く、スーパーなどのプライスカードやパッケージに記載されています。

バナナをチェックしてみると、特に記載されていません。最近ではバナナにポストハーベストはあまり使用されていないようですね。それでは、食品添加物に該当しない農薬は?病害虫が発生した場合の消毒(燻蒸)は?植物検疫で万が一病害虫が発見された場合などは、密閉倉庫の中で農薬を「燻蒸」して、倉庫ごと虫を死滅させる処理が行われます。これらには表示の義務はないため、真相はわからないまま。店頭で見分けることはできません。

有機JASマークのあるオーガニックバナナは、輸入であってもポストハーベスト、燻蒸処理などはされていません。輸入の植物検疫の際に、もし病害虫の発生など発見された場合は燻蒸処理が必要になってしまいますが、燻蒸されると有機とは言えなくなります。つまり、有機JAS認証も取得できず、当然、有機JASマークもつけることが許されないわけです。万が一の場合は、オーガニックバナナとしてではなく一般のバナナとして取り扱いされることになります。

言い換えれば、日本で販売されている有機バナナは燻蒸処理がされていないということ。安心してオーガニックバナナを選んでほしいですね。また、有機認証までは取得していなくても植物検疫で無燻蒸で合格したバナナを「燻蒸されていない」と記載して販売されているものもあるので、売り場でチェックしてみてくださいね。

ちなみに、輸入されるバナナは、すべて未成熟の青い状態で日本に入ってきます。これは、成熟したバナナには害虫が付いている可能性が高いため。黄色く成熟したバナナは、さらに熟するにしたがって、皮に茶色い斑点がでてきます。これはいわゆる「シュガースポット」と呼ばれるもので、糖度が高くなっておいしい食べごろのサインです。店頭に並んでいるものは見た目も美しくきれいな黄色のものが多いですが、すぐに甘くておいしいバナナが食べたい!という場合は、シュガースポットが出ているものを選びましょう。逆にすぐに食べない場合は、シュガースポットが出るまでの間少し待ってからいただくのがおすすめです。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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