一般の加工食品には賞味期限、消費期限が記載されているが、お米には産地や品種とともに、「産年」および「精米年月日」が記載されます。ここでいう「産年」の年度とは、一般的な暦とは少し異なる「米穀年度(べいこくねんど)」によるもので、11月1日から10月31日までの1年間を区切りとしています。年度末、つまり10月31日属する月の暦年が「年度」とされるので、昨年、2015年(平成27年)11月1日から今年の2016年(平成28年)10月31日までの米穀年度は、年度末である10月31日「平成28年産」と、今年の表示がされることになります。
お米の収穫や出荷の時期は、地域や品種によっても異なり、南の地域では早いもので7月や8月に収穫されるものもありますが、おおむね9月~10月。仮に11月1日以降に収穫、出荷されれば、「米穀年度(べいこくねんど)」により、2016年(平成28年)11月の収穫でも「29年度」と表示されることになりますね。
ちなみに「玄米」に消費期限表示はありません。精米がされていない状態のため精米年月日ではなく、調整(選別・袋詰め)した日である「調整年月日」が表示されます。
※平成28年(2016年)度の玄米を同年10月に精米した新米
それでは、「新米」っていつからいつまでなんでしょう?
JAS法に基づく「玄米及び精米品質表示基準」では、新米と表示できるのは「収穫年の年末までに精白・包装された精米」と定められています。
◎原料玄米が生産された当該年の12月31日までに容器に入れられ、若しくは包装された玄米
◎原料玄米が生産された当該年の12月31日までに精白され、容器に入れられ、若しくは包装された精米
であれば「新米」と表示することができます。年末に精米されて店頭に並び、翌年にまだ売り場に残っていると、季節外れの新米があるかもしれません。場合によっては春ごろに「新米」マークに出会うことがあるかも?表示的には「新米」で問題はないのですが、精米してから時間がたつとお米の味も落ちるので、必ず「精米日」をチェックするようにしましょう。
※こちらの記事は2016年10月1日現在の内容です。
玄米及び精米商品は、これまで「調製年月日」「精米年月日」「輸入年月日」を表示することとされていましたが、令和2年3月27日より、年月日に加えて「年月旬(上旬/中旬/下旬)」表示もできるように。令和4年4月1日以降に精米したものについては、米袋の一括表示欄の表示事項は「精米年月日」から「精米時期」となりました。
この記事を書いた人
オーガニックプレス編集長 さとうあき
インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。