20代でマクロビオティックと出合い、30代で雑穀に出合い、50代でタイに出合ってしまった料理クリエイターが、同じお米の国ながら、微妙にちがう南国の食の世界に挑む日々をご紹介。現地ならでは生情報をお楽しみに。
干し魚なしでは始まらないタイのごはん
Aki2019-08-18T11:15:15+09:00「珍しい干し魚があるの。今から行くからいっしょに料理しない?」タイ人の親友エイから電話が入った。私が魚を常食しないことを知っていながら、あえて魚というからには、よほどのモノに違いない。
20代でマクロビオティックと出合い、30代で雑穀に出合い、50代でタイに出合ってしまった料理クリエイターが、同じお米の国ながら、微妙にちがう南国の食の世界に挑む日々をご紹介。現地ならでは生情報をお楽しみに。
「珍しい干し魚があるの。今から行くからいっしょに料理しない?」タイ人の親友エイから電話が入った。私が魚を常食しないことを知っていながら、あえて魚というからには、よほどのモノに違いない。
桜の写真がメールで送られてくる。この季節はいちばん日本が恋しい。タイは窓辺の机に向かっているだけで小麦色に日焼けするほど、来る日も来る日も太陽が照りつける。
病院は「病気を治しに行くところだ」と思っていた。だがタイでは違った。ちょっとお茶しに病院というのもありなのだ。大胆にも病院内のカフェは、扉も仕切りもなく、受付や会計窓口の隣に店を出している。
バンコクはすっかり大都会になった。人々の暮らしも豊かになり、かつては輸出専用だったオーガニック野菜がタイ人の食卓にのる時代が来た。なにもかもが混沌としていた10年前とは比べ物にならない。
15年ほど前にある日本人がタイの固い大豆で日本と同じようなうまい生豆腐を作ることに成功し、いっきに日本豆腐がシェアを広げた。人気は健康志向にのって、豆腐に飢えていた日本人は勿論、タイ人富裕層にまで波及した。
タイでは「色」が大きな意味を持つ。食品につけられている色も日本より色彩豊か!本来は植物からとった色素で色をつける。中でも日本にはない透明の紫色はなんとも神秘的。この紫色を出す花がタイ語で「アンチャン」で、英語名は「バタフライピー」
つい先日までタイでは菜食週間だった。タイ語では「ギンジェー」という。太陰暦の9月1日から9日間ということで、太陽暦に直すと毎年微妙に日がずれて、今年は9月末から10月にかけてだった。
多分、私がずーっと日本で暮らしていたらナンプラー(魚醤)は遠い存在だったと思う。タイに暮らすようになっても長いこと臭いが苦手で、醤油ならば美味いのにと思うこともままあった。
いまどきのバンコクにはオーガニック認証のついた食材から、有機または減農薬の野菜までスーパーで手に入るが、いまだにここにはないものもある。「いい加減、あきらめたら」といわれそうだが…サンショがない。恋い焦がれるのは「生の葉ザンショ、木の芽」