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「新茶」の出回る季節になると皆思い出す、あのフレーズ「夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉が茂る・・・」。八十八夜とは雑節のひとつで、立春から数えて88日目にあたる日、現在の暦で5月1日~3日頃のことです。毎年この時期になると、各地で茶摘み体験などのイベントが開催されたり、ニュースや情報番組では「新茶」のまつわる話題が取り上げられ、店頭でも新茶予約やお茶関連の製品が企画されるなど、盛り上がりを見せています。

この毎年各所で行われる、初夏を告げる風物詩「新茶」のプロモーションにより、茶摘みが開始されるのは八十八夜!?という印象が強くなっていますが、実際には必ずしもそういうわけではありません。産地の気候などによって新芽の育成状態も異なりますが、実際には八十八夜より前、早いと3月下旬ごろから茶摘みが始まり、毎年4月中旬頃には、新茶の初取引が行われています。

「新茶」とは、その年の一番最初に茶の木から新しく出てきた芽、春の新芽を摘んでつくられる、いわゆる「一番茶」のこと。いわゆるその年の初物(はつもの)のお茶のことを指します。

通常、年に3~5回ほど収穫が行われるお茶は、この年の一番初めに摘まれる一番茶(新茶)にはじまり、順番に、二番茶、三番茶、四番茶と呼ばれています。ちなみに、前年やそれ以前に摘まれ生産されたお茶は「古茶」(こちゃ)となります。

一番茶(新茶)であっても、翌年まで消費されずに残ったものが仮にそのまま販売されてるとすれば(賞味期限が1年以内とされることが多いため考えにくいですが)、それははたして新茶と言えるのでしょうか?新茶の魅力といえば、やはりフレッシュな香りや、甘さ、まろやかさ、そしてその旨みのある味わいです。保存方法が良くても、茶葉は一定以上の期間を過ぎると、せっかくの旨味や風味が落ちてしまう可能性がありますから。新茶は「旬のもの」として、季節感を感じながら美味しく、そして早めにいただくようにしましょう。

佐藤アキ (Aki Sato)