Project Description

いわゆる「オーガニックカフェ」と言われるこだわりのお店でなくても、最近フェアトレードやオーガニックのコーヒーを提供するお店は増えてきています。カフェでオーガニックコーヒーを注文する時、あるいはテイクアウトしようとする時に気になるのが、コーヒーに添えられた砂糖やミルク。オーガニックコーヒーに、人工甘味料やコーヒーフレッシュとも呼ばれるポーションタイプのものが添えられると、なんだかがっかりした気分になってしまいますよね。

あのポーションタイプのミルク風の液体は、植物油に乳化剤を加え白くミルク風に作られたものであって、乳製品ではないし全く異なるものです。名称は「コーヒー用クリーミング」「植物性油脂クリーミング食品」。パウダータイプのものも同じく、流通しているほとんどのものが、乳製品ではなく植物油からつくられたものです。

これらはオーガニック&ナチュラル志向の人たちの間では既によく知られた事実なので、家庭で使用しない人も多いですよね。ところが、オフィスや外食先で、となると話は別。一般のオフィスなどでお客様に提供する場合、砂糖やミルクの好みを一人一人に聞いて対応するのも、鮮度管理の必要な本物の乳製品をオフィスで常備、というのも現実的ではないですから。また、テイクアウトメインのコーヒーショップやコンビニコーヒーも、砂糖やミルクはセルフサービスで、というスタイルがほとんどだからです。

◎コーヒー用クリーミング(液状)の原材料例

A社:植物油脂、砂糖、乳製品、カゼインNa、乳化剤、pH調整剤、香料

B社:植物油脂、カゼインナトリウム(乳由来)、pH調整剤、乳化剤(大豆を含む)、香料、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)

C社:植物油脂、砂糖、脱脂粉乳/カゼインNa、乳化剤(大豆由来)、pH調整剤、香料、酸化防止剤(ビタミンC)

このように、主原料は「油」。乳化剤とはまた別に添加されるカゼインNaは、乳化だけでなく増粘剤としてとろみをつけるのが目的。pH調整剤は、腐敗防止、変色防止などのために添加されます。

◎クリーミングパウダーの原材料例

A社:水あめ、植物油脂、pH調整剤、乳たん白、炭酸カルシウム、乳化剤、香料、カラメル色素

B社:水あめ、植物油脂、乳等を主要原料とする食品、食塩、pH調整剤、乳たん白、炭酸カルシウム、着色料(酸化チタン、カラメル)、乳化剤、香料

C社:植物油脂、砂糖、カゼイン(乳由来)、pH調整剤、乳化剤、香料、クチナシ色素

D社:コーンシロップ、植物油脂、カゼイン(乳由来)、pH調整剤、乳化剤

E社:デキストリン、植物性脂肪、乳糖、脱脂粉乳、カゼインNa、リン酸K、乳化剤

※乳由来でつくられたものは名称が「乳等を主要原料とする食品」となっています。原材料表示も合わせてご確認ください。

多くのオーガニックカフェやレストランでは、ホンモノの牛乳、またはベジタリアンの方のために豆乳などが用意され、小さなミルクピッチャーに入れて添えられます。ホットコーヒーの場合は、ミルクを入れることでコーヒーが冷めてしまわないよう、一度温めて出す。少なすぎず多すぎない量で提供される1ピッチャーは、お客様が使い切らないことも多く、余ってしまったぶんはそのまま廃棄となってしまいます。さらに牛乳は賞味期限が短いため、仕入れた牛乳、開封した牛乳は使い切れない場合もありますよね。コーヒー用クリーミングなら、ロスもなく原価も安いんです。それでも、オーガニックコーヒー、選りすぐりの一杯には、それにふさわしいものを提供したいというお店は少なくありません。

悩ましいのが、テイクアウトです。なぜなら、分包のオーガニックシュガーはあっても、常温保存できるホンモノのミルクは存在しないから。コーヒー用クリーミング(通称コーヒーフレッシュ)は当然あるもの、無料で用意されているという認識のお客様も多いのです。お店としては、必要な分をその場で入れて持ち帰るか、あらかじめミルクが入ったラテなどをオーダーしてほしいところではありますが、やっぱりブラックコーヒーに自分好みの分量のミルクを入れたい、というお客様もいます。数名分のコーヒーをテイクアウトしてオフィスに持ち帰る際に、必要な人もいるかも?と、いくつか持って帰るシーンもよくあること。お店のポリシーからテイクアウト用のミルクは用意しないという選択もできるのですが、やはり様々なお客様からの要望に応えるため、念のためクリーミングも用意しておくべきなのか?・・・と。

この「オーガニックコーヒーに添えるミルク問題」、実は多くのお店が頭を悩ませています。

佐藤アキ (Aki Sato)