先月開催されたORGANIC & NATURAL EXPO で「シソの苗」を買った。今年はタネや苗を売る店が多く、植えてみたくなるような摩訶不思議なタネに目を奪われた。とはいえ、うちはマンションなので、大きくなるものは無理だし、コリアンダーなら店でいつでも手に入るし、見たこともない植物が育ってもどうかしらと、迷いに迷っていた。
すると日本人だなッと、気がついた販売員のおばさんが
「シソなんかいんじゃないかなぁ」とすすめて来た。
「シソ!? いやぁ~もっとタイのものがいんだけど…」とは言ってみたが
「イヤってほど、葉がつくわよー」の、ひとことにグラっときた。
シソがいつでも摘めたらどんなにいいかしラン。
シソの葉はタイでも日系スーパーに行けばタイオーガニックのものが売っている。日本と同じぐらいの価格なので、安くて種類豊富なタイハーブと比べてしまい、なかなか手が出ない。それにこの夏、日本に戻ったときに食べたイキイキ、シャキシャキのシソとはいかない。なーんでもあるのだけど、旬の手応えが薄いのが、タイ暮らしの寂しさである。
夫は買った方が安いんじゃないと後ろからうるさい。そうかもしれない…だが、バサバサついたシソの葉の妄想は強烈に焼きつきてしまい、結局3鉢の苗を買って、毎朝、水やりに励むことになった。
ところがある朝、幼いふた葉のすみが、ガブッと虫に食べられているのを発見。慌てて虫を探すが、茎や葉にはいず、土の中から這い上がってくるのだろう。販売員のおばさんは植え替えの必要はないと言ったが、やはりプランターに植え替えた方が良さそうだった。
しょうがない。穴の空いた小さなシソ葉を摘んで、台所で刻み、朝食用に塩揉みしておいた、きゅうりの中に入れた。包丁に残っていたシソをなにげに食べると、ワケわからない衝撃が口中に走ったのだ。
これシソじゃな~い。…エゴマだったのだ。どこで勘違いが起きたのだろうか。単なるおばさんの早とちりか、根本的に刺身の横についてるあの葉をエゴマだと勘違いして栽培してしまったのか…。
以前、友達のタイ人が農園でエゴマ栽培をしたことがあった。その時も想像以上にバサバサとよく育ち、葉の食べ方を相談され、大量のエゴマの葉のキムチ漬けを仕込んだことがあった。
タイでも5~6年前からエゴマの栽培が盛んになり。オメガ3食品ということでナチュラルフードショップではオーガニックマークこそついてないが定番化している。
日本のエゴマの実と、タイのエゴマの実を比べてみると、タイのものは小さくて粟粒ほどしかない。日本のエゴマは木の実のようなコクを持っているが、タイのエゴマはハーブのように野生の香りが強い。どちらも、独特な魚の風味は、醤油や味噌によく合う。
これはスイカに、乾燥した魚のフレークと塩と砂糖が混ざった、要はフリカケみたいなものをかけて食べるタイの伝統料理だ。このところ洒落たタイレストランで、リバイバルを果たしている。魚風味ならエゴマでもいけるはずと試してみた。それなりには美味しかった。ただ、スイカにフリカケをかけて旨いか?と、いう基本的な民族の味覚の差にはなんとも責任は持てないので、覚悟して試してください。
スイカと魚のふりかけを出すレストラン
エゴマの苗は後日、ヤシの繊維のポットに有機肥料入りの土を入れ移植したが、生き延びたのは1鉢のみだった。
今更ながら、タイの大地に一番適しているのはタイハーブじゃないかと、浅はかな行動を恥じるばかりだが、生き残ってくれたエゴマが元気に育つ姿を見ると、きゅうりとエゴマの葉の塩もみもパンチが効いて、なかなかだと思えてきた。
南国のハーブはカレーペーストの中でしっかり出番を待ってます。お酒に合う、アジアが香るスナックですお試しください。
スパイシーナッツ
- 生ナッツ 200g
- コブみかんの葉 1~2枚
- 王国のレッドカレーペースト 小さじ3~4
- 塩 小さじ1/2
- カレーペーストと塩をよく混ぜ込む
- ナッツに1を表面が真っ赤になるまでよく混ぜ合せる
- 140度のオーブンで15分から20分焼く。ハーブ類は後から入れて5~10分焼く
- ザルに開け、そのままパリッとするまで冷ます
*辛さはお好みで調節して下さい。
*オーブントースターを使用する時は、アルミをかぶせ、出来るだけ低温で焼く
*ナッツは単独でもミックスでも可
*コブミカンの葉は手元にあるハーブに置き換えてください。入れなくてもOK
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無添加!『王国のレッドカレーペースト』
レッドカレーペーストはあらゆるタイの辛いメニューの基本調味料です。「王国のレッドカレーペースト」は、バンコクの約400店舗のお店が使用する、本場のタイカレーペーストです。タイの昔のレシピで調合されており、動物性食品、油脂、砂糖は使用していません。
原料:唐辛子・ガーリック・レモングラス・ガランガル・カフェライム・シャロット・塩
内容量:50g
原産国:タイ
小売価格:400円(税抜)
▽ヤムヤムWEBショップ販売ページへ
http://gaiatablethai.shop-pro.jp/?pid=56419108
木幡恵プロフィール
20代でマクロビオティックに出合い、30代で雑穀に出合い、50代でタイに出会ってしまった料理クリエイター。ストイックだけど大胆、本気だけど本音であることがたいせつだと思っている。料理活動の場はバンコク。ベジを基本にアジアの調理法を盛り込んだ料理クラス「gaiatable」を主宰。
タイ語のマガジンHEALTH &CUISINEと日本語のタイ情報誌のDACOにレシピを連載中。
自身が企画した商品をヤムヤムから販売している。
■つぶつぶクッキング
■無発酵の雑穀パン
■雑穀つぶつぶクッキング
■おいしいマクロビィオテック (タイ語)
■タイの料理雑誌HEALTH&CUISINE(タイ語)
■タイのマガジンDACO 料理エッセイ「大地のめぐみ」(日本語)
★Gaia Table 南国食日記
http://gaiatable.com/diary/
★ヤムヤムホームページ
http://www.gaiatable.com/