Project Description

「純粋蜂蜜」や「国産はちみつ」と書かれた蜂蜜はたくさん存在しますが、国産で「オーガニックはちみつ」にはなかなか出会えません。というのも、蜂蜜は「有機JAS」規格の対象外だから。蜂蜜は分類としては、畜産食品なのですが、ミツバチは有機畜産物の対象外となっているため、はちみつは有機JASの格付の対象となっていないのです。

ということは、有機JASマークがないのだから日本にはオーガニックはちみつと呼べるものは存在しない!?と思ってしまいますが、海外から輸入したオーガニック認証ハチミツなど、有機JASマークなく「有機」と表示しても違反とはならなりません。数はそう多くはありませんが、「オーガニックはちみつ」と呼べる製品も流通しているのです。

オーガニック蜂蜜同様に国産純粋蜂蜜も、安全安心を求める消費者から高く支持されています。実は、一般に流通している蜂蜜の中にはハチミツ100%ではなく、異性化液糖や水飴など糖類を加えた「加糖はちみつ」も多く存在しているのです。公正取引委員会の「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」第2条では、「はちみつ類」とは、「はちみつ」、「精製はちみつ」、「加糖はちみつ」、「巣はちみつ」、「巣はちみつ入りはちみつ」であると定義されています。つまり、一言で「ハチミツ」といっても様々で、一般にイメージする、蜂たちが花々から集めてきたそのもの、純粋なものであるとは限らないのです。

以下、公正取引委員会の「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」より抜粋

(定義)
第2条 この規約において「はちみつ類」とは、はちみつ精製はちみつ加糖はちみつ巣はちみつ及び巣はちみつ入りはちみつをいう。

(1) この規約において「はちみつ」とは、みつばちが植物の花みつを採集し、巣房に貯え熟成した天然の甘味物質であって、別表に定める性状を有し、別表に定める組成基準に適合したものをいう。
(2) この規約において「精製はちみつ」とは、はちみつから臭い、色等を取り除いたものであって、別表に定める組成基準に適合したものをいう。
(3) この規約において「加糖はちみつ」とは、はちみつに異性化液糖その他の糖類を加えたものであって、はちみつの含有量が重量百分比で60パーセント以上のものをいう。
(4) この規約において「巣はちみつ」とは、新しく作られて幼虫のいない巣房にみつばちによって貯えられたはちみつで、巣全体又は一部を封入したまま販売されるものをいう。
(5) この規約において「巣はちみつ入りはちみつ」とは、はちみつに巣はちみつを加えたものをいう。
(6) (1)の「はちみつ」には、精製はちみつ又はローヤルゼリー、花粉、香料、果汁若しくはビタミンを加えたものを含むものとする。

(特定事項の表示基準)
第4条 事業者は、はちみつの容器又は包装に、次の各号に掲げる事項を表示する場合には、それぞれ当該各号に定める基準に従い表示しなければならない。

(1) 純粋等
はちみつに「純粋」、「天然」、「生」、「完熟」、「ピュア」、「ナチュラル」、「Pure」、「Natural」その他これらと類似の意味内容を表す文言を表示しようとする場合には「純粋」又は「Pure」という文言に統一して行わなければならない。
(2) 国産
はちみつに「国産」という文言を表示する場合には、前条第2号の規定により表示する場合を除き、その原料蜜のすべてが国内で採蜜されたものでなければならない。
(3) 採蜜源の花名
はちみつに採蜜源の花名を表示する場合には、当該はちみつのすべて又は大部分を当該花から採蜜し、その花の特徴を有するものであって、かつ、採蜜国名を表示しなければならない。

施行規則、特定事項の表示基準の第3条において、「純粋」又は「Pure」の文言は、精製はちみつを使用したもの又は添加物を含むものに表示してはならない。と定められています。よって「純粋」の文字が書かれた蜂蜜は、精製されておらず、糖類や添加物も使用されていないものということになります。

流通している蜂蜜に、残留抗生物質のあるものや産地の偽装をしたもの、安価で劣悪な品質のものが流通していたことが発覚したこともあって「国産蜂蜜」が、安全安心、良質のはちみつを選ぶひとつの目安となっています。でも、国産だからと言って、すべて信頼できるものとは言えません。では何を基準に選べばいいのでしょうか?

まず価格が安すぎる蜂蜜は要注意。そして、純粋蜂蜜であるかどうか?「純粋」「Pure」と表示されたものを第一に。そして産地を確認して国産蜂蜜ならば、できれば顔の見える、信頼できる養蜂家のものを選びたいですね。海外の蜂蜜を選ぶ場合は「オーガニック」の表示もチェック!

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。