玄米や白米のことは知っていても、意外と「分づき米」という言葉は使われることが少ないかもしれません。まず、田んぼで稲刈りをして脱穀し、殻のついた状態のものが「籾(モミ)」。これを「籾摺り」して殻を除去したものが「玄米」。胚芽部分だけを残してぬか層を削ったものが「胚芽米」。精米してぬか層、そして胚芽の部分まで取り除いたものが「白米」です。
通常、白米は玄米のおよそ1割(10%)程度が取り除かれることになります。この白米の精米率を10割としたときに、何割精米しているかで数字が変わり、1分搗米、3分搗米、5分搗米、7分搗米といった、いわゆる「分搗き米」と言われるものとなります。数字が小さいほど玄米に、数字が大きいほど白米に近いということになります。
分搗米(ぶづきまい)
1分搗米・・・玄米の糠層表面の、ごく薄い表皮部分を取り除いたもの。
3分搗米・・・玄米の糠層を約3割ほど取り除いたもの。色もまだ茶色が目立ち玄米に近い。
5分搗米・・・玄米の糠層を半分取り除いたもの。胚芽はほぼ残っている。
7分搗米・・・玄米の糠層を約7割取り除いたもの。白米と見た目や食感も近いが胚芽は一部残る。
玄米・・・籾を取り除いたもの。糠層、胚芽はそのまま。
胚芽米・・・胚芽を残して糠層をすべて取り除いたもの。
白米・・・糠、胚芽を取り除いたもの。胚乳部分のみ残っている。
玄米の糠や胚芽の部分には、ビタミンB1やビタミンEなどのビタミン、食物繊維やカルシウム、鉄などのミネラルなど栄養素が豊富に含まれています。玄米食を試したいけど、特有の風味が気になったり、硬さ、消化吸収の悪さもあってなかなか馴染めないし続けられないという人も多いですよね。その点「分搗米(ぶづきまい)」なら、玄米の優れた栄養素を残しながらも、食べやすいと思います。白米よりも栄養価があり、玄米より簡単に炊けるので、いずれ玄米食にしたい方も徐々に慣れていくことができます。初めての人は、まずは7分づき米くらいからスタートしてみてはいかがでしょうか?
最近では自宅に家庭用の精米機があって、玄米からその都度精米したてのご飯を食べるという人も増えてきたようですが、まだ一般的ではありません。また、一般のスーパーなどでも有機米を販売しているところも増えてきたものの、選べるのはたいてい玄米か、白米ですよね。精米機を置いている自然食品店や、米穀店(べいこくてん)など、その場で精米してもらえるお店もあるので、ぜひ精米したての「分搗米(ぶづきまい)」を味わってみてください。
この記事を書いた人
オーガニックプレス編集長 さとうあき
インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。