台所から米が炊ける匂いがしてきた。赤ん坊の肌のようなその匂いは、いつだって癒し効果満点だ。我が家では米はいつも2種類ストックしている。ひとつは生粋のタイの香り米。もうひとつはタイ産のジャポニカ米である。

タイの香り米は東部イーサン地方で栽培されている。1000件の有機農家が参加する大規模な組織でオーガニック認証もすでに取得している。ジャポニカ米はタイの北部で日本人が中心となって農家を指導し栽培している。自然農法にこだわった小粒の米だ。どちらにしてもこのところバンコクではオーガニックは大流行、スーパーでも手に入るようになった。

タイの有機農家さんの農園

しかしおもしろい。米というものは民族によって譲れないものがあるようだ。

日本では「もちもち」がうまい米の絶対の条件だが、タイの米は「ぱらぱら、ふわっ」の軽さこそがうまさの原点なのである。私はよくタイ米なのに日本米のつもりで、きんぴらと一緒に勢いよく頬張り、おもいっきり下唇の裏側を噛んでしまう。米によって噛む強さが違うということなのだ。きんぴらの歯ごたえはもちもち米にあう。噛むほどに、千切れたきんぴらがご飯と一体化し、旨みが混ざり合うところが日本めしのうまさなんだな~とつくづく思う。

タイ米の「ぱらぱら、ふわっ」の軽さは、玄米で比べるとよくわかる。日本玄米に比べて噛む回数も少ない。私の実感としてタイ米は日本米の1/2以下の時間で口の中から消えていく。たぶん成分に違いがあり、消化が早いということだろう。考えてみればここは1年中暑い。消化に手間取るとそく体の負担が増し動けないくなる。大地はどこまで素晴らしいんだろう。

タイの食事は、日本のように汁物とごはんを明確にわけて口に運ぶことはしない。おかずを汁ごとごはんにかけ、米に汁を含ませて食べる。通常は複数のおかずの汁を、カレー煮であろうが、酸っぱいサラダであろうがごはんにかけ、自分好みにマゼマゼにして口に運ぶのが正調タイめしなのである。グリーンカレーをタイ米で食べると一段とおいしいのは、ぱらぱらご飯が辛いスープを一旦吸い、ふたたび口の中でご飯から逆流して溢れ出すからだと思う。辛いんだけど、なんだかすんなり食べれちゃう秘密はパラパラ米にあったのだ。

写真は私のランチ。タイ玄米は日本製の厚釜炊飯器で、やや多めの水で炊いた。タイ米なのでおかずの汁気は多めだ。青菜は醤油とナンプラー数滴で炒め、汁ごと皿にうつした。タイ風煎り豆腐も汁気をたっぷり残した。辛さは控えめだがマゼマゼごはんが楽しめる。

エリンギのピリ辛煎り豆腐   2~3人分

  • エリンギ          80g
  • ココナッツオイル  大さじ1
  • レッドカレー    小さじ1/2~1
  • ココナッツシュガー 小さじ2~
  • 味噌        大さじ1/2
  • ナンプラー     小さじ1/2
  • しお        適量
  • 豆乳        100cc
  • 豆腐        1/4丁
  1. エリンギは一口大に切りココナッツオイルで炒める
  2. 1にレッドカレーと豆乳を入れる
  3. 味噌、ココナッツシュガー、ナンプラー 、塩を入れ煮る。
  4. 最後に豆腐を潰し入れる

*しっかり辛くしたい人はレッドカレーを倍増し、ココナッツシュガーとナンプラーで味を強くしてください。

木幡恵プロフィール

20代でマクロビオティックに出合い、30代で雑穀に出合い、50代でタイに出会ってしまった料理クリエイター。ストイックだけど大胆、本気だけど本音であることがたいせつだと思っている。料理活動の場はバンコク。ベジを基本にアジアの調理法を盛り込んだ料理クラス「gaiatable」を主宰。

タイ語のマガジンHEALTH &CUISINEと日本語のタイ情報誌のDACOにレシピを連載中。
自身が企画した商品をヤムヤムから販売している。

■つぶつぶクッキング
■無発酵の雑穀パン
■雑穀つぶつぶクッキング
■おいしいマクロビィオテック (タイ語)
■タイの料理雑誌HEALTH&CUISINE(タイ語)
■タイのマガジンDACO 料理エッセイ「大地のめぐみ」(日本語)

★Gaia Table 南国食日記
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★ヤムヤムホームページ
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