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濃縮還元100%ジュースとストレート果汁

100%果汁のジュースが良いということはもう言うまでもない話ですが、同じ100%でも「濃縮還元」と「ストレート」の2種類があるのをご存知ですか?

「濃縮還元」は、収穫した果汁を濃縮して保存。これを加工する際に水を加えるなどして希釈して100%に戻しているものです。基本的に原料となる果実には収穫できる時期が限られているため、濃縮還元して原料を保管することで、1年を通して安定流通が可能となり、保管や運搬のコストも抑えられるというメリットもあります。

もう一方の「ストレート果汁」は果実の果汁を絞ったもので、水分を抜いたりうすめるなどの加工をしていない、そのままのもの。それゆえ、製造時期や量が限られるとともに、製造ロット毎にばらつきが出たり、天候などによるその年の果実の出来ばえによってもまた、製品の味や風味が左右されることがあります。短時間で製造が出来て、安価で、画一的な味と品質の保証を重要視する大量生産には向いていません。

濃縮還元100%とストレート果汁を比較した場合、ビタミンなど栄養素の含有量などは、実はさほど違いは無いのだそう。でも、飲み比べるとやっぱりその美味しさの違いは歴然です。ストレート果汁は、美味しい!

もちろん、旬の生の搾りたて、フレッシュジュースの美味しさには到底かなわないのだけれど・・・。

国産か、オーガニックか?

原料となる果実の生産方法も気になるところですよね。できれば、オーガニックジュースを選びたい!自然食品店などでは「オーガニック・ストレート果汁のジュース」を取り扱っているところも多いので、是非、その美味しさを味わってみてください。

でも、ストレート果汁100%自体、そもそも流通量が少なく、さらにオーガニックのものとなるともっと少なくなります。また、オーガニックとなるとどうしても原料が海外産のものが多く、国産のものはごくわずかなのです。

製品に有機認証はなくても、農薬や化学肥料を使わずに育てている、日本の農家さんの果実を使ったものなどもあるので、そのような素材自体も安心できる国産のストレートジュースもおすすめです。フードマイレージも低くなることにつながり、環境面にも大きく貢献できますしね。

ストレート果汁のデメリットとも言える点をむしろメリットととらえて、複数の品種をブレンドせず作られるような、国産のストレート果汁があります。リンゴでは、フジ、むつ、北斗など。柑橘系では、あまなつ、いよかん、きよみ・・・ぶどうでは、ナイアガラ、マスカット、巨峰・・・など。 それぞれに味の特徴があるので、フレッシュな果物を食べるようにその違いを感じながら味わい、楽しむのもまたおすすめですよ。

それぞれの品種を限定することで製造量もさらに限られるため、売切れ次第で終了となってしまう場合もありますが、次の年の販売を楽しみに待つというのもまた良いものですね。

小さな頃から本物の味を。

昭和のころ、コンビニなどの便利なお店がまだない時代には、俗にいう地域の三河屋さん(酒屋さん)が、各家庭にビールやお酒、調味料などを配達していた時代がありました。お酒以外にも今では懐かしい瓶入りのオレンジジュースやサイダーなどの清涼飲料水を、ケース買いしている家庭も。当時は飲料に含まれる添加物や、糖分の摂りすぎによる害、カロリーについてなどは重要視されておらず、また、そのような情報も少なかったため、多くの人が何も考えず、CMなどで目にする美味しそうでカッコイイ、流行りの飲み物をこぞって購入し、飲んでいました。

そんな時代でも、我が家では100%果汁しか飲ませてもらえなかったため、清涼飲料水を家で飲むことはありませんでした。おかげさまで、大人になった今でも100%以外のジュースなどは美味しいと感じられず、自分から清涼飲料水を購入することはありません。当時は、流行のジュースを自由に飲める環境のお友達を、幼心にいつもうらやましく思っていたものですが、今となっては母には感謝しています。

ちょっと歩けばどこにでもコンビニや自動販売機、ファストフード店などがあって、いくら家庭で気を付けていても、子供でも簡単に、自由になんでも購入することができる現代。また、販売されている飲料のほとんどが果汁もほとんど入っておらず、お砂糖たっぷり、香料などの添加物たっぷりのもの。高エネルギーの割には大切な栄養素が少ないジュース類の摂りすぎによって、子どものうちから糖尿病などの生活習慣病を発症するケースが増加しているそうですから、お子様に与える飲料には特に注意していただきたいものですね。

また、「子供の頃の食生活は一生の食習慣や味覚を左右する」と言われます。特に小さなお子様にジュースなどの飲物を与えるときには、是非、天然の栄養素を含む、ホンモノの100%果汁のものを選ぶようにしてあげて欲しいなと思います。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。