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「甘酒」は夏の季語であり、江戸時代では夏の飲物として売られていたという話は有名ですが、一昔前までは冬の季節限定商品として扱われ、本来の夏には店頭から姿を消していました。自然食品業界でも、通年で販売するようになったのはつい最近のことです。

流通においては夏と冬、季節逆転していた甘酒でしたが、昔から自然食愛好家や自然派料理研究家の間では甘酒は通年愛用されていたのをご存じでしょうか?飲み物としては地味で目立たない存在だった「甘酒」が、冬の飲物としてだけでなくお砂糖の代用として利用したり、様々なお料理やお菓子作りにアレンジしたり、麹から自家製の甘酒を作るなど、実は密かに甘酒が活用されてきました。

最近では、ローフード実践者、酵素食やスムージーを食事に取り入れている方などの間で、甘酒はスタンダードの地位を確立しつつあります。「酵素」の働きに着目していることから、米や玄米に米麹を使って手作りされることも多いようです。なぜなら、一般に市販されている甘酒の多くは火入れ、加熱殺菌処理をしているため。酵素は熱に弱く、商品化のための加熱処理により働きが低下、または失ってしまうと言われるからです。

甘酒は米をお粥状にして米麹と混ぜ、温度を50~60度に保ちながら6~10時間ほど保温すれば、家庭でも簡単に作ることができます。発酵が進みすぎないように、火入れなどをしなければ、甘酒に含まれる高い栄養価に加え、酵素の働きも享受できますね。お米以外でも、雑穀や芋などでんぷんの多い食材であれば甘酒を作ることもできるので、色々な素材と味のバリエーションを楽しんでみるのもおすすめです。最近は甘酒づくりのワークショップや料理教室なども盛んなので、一度手作り甘酒にチャレンジしてみるのもおすすめです。

甘酒を購入するときは、原材料を見て米または玄米と米麹のみのものを選ぶようにしましょう。一般に販売されている甘酒の中にはお砂糖や水飴などで甘さをつけているものが、まだまだ多いです。そもそも砂糖や水飴を加える必要は無いのです。甘酒は、米と麹で作るもの。甘酒のあの甘みは砂糖を加えた甘みではなく、米やもち米のでんぷんが米麹の酵素で糖化されてできる自然の甘みなのだから。

それから、販売する側は、扱っている甘酒の素材や加工の工程をきちんと確認しておきましょう。加熱殺菌の温度や時間などを詳しく訊ねられることもあります。また、今や、米麹は手前味噌作りのためだけのモノではありません。自家製甘酒のニーズに対応するためにも、甘酒だけでなく米こうじも通年で販売することをおすすめしたいと思います。

佐藤アキ (Aki Sato)