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新じゃが前線とじゃがいもの旬

1年中食べられるじゃがいも。南は九州地方から北は北海道まで日本各地、年中どこかで栽培され収穫時期も異なります。保存もきくので旬の時期がわかりにくいですが、毎年秋作、冬作栽培されたじゃがいもが収穫される時期、3月~6月頃にかけてと、春作栽培のじゃがいもが収穫される秋から冬、9月~12月頃の2回が、日本のじゃがいもの旬と言えます。

南北に長い日本列島では、早い時期で2月頃から収穫が始まる九州に始まり、東海、関東、・・・そして7月頃には北海道へと、収穫時期を示すラインがまるで桜前線のように北上していく様子を「新じゃが前線」などと表現するのは、縦に長い地形と、それにより同じ時期でも地域によって気候風土が異なる、日本ならではのことかもしれません。

じゃがいもを購入するときには、値段や品種だけでなく産地もチェックしてみてください。「新じゃが前線」から見て、その時が旬の「産地」のものを選んだり、作りたいお料理に合った収穫時期のもので選ぶなど、いつもと違った角度から選ぶことで、毎日のお買い物やお料理がちょっぴり楽しくなるかもしれません!

新じゃがと完熟じゃがいも

「新じゃが」とは、春に収穫されるたじゃがいも、収穫し初めのじゃがいも、収穫後貯蔵せずに市場に出たじゃがいも、完熟前に収穫したじゃがいも・・・などと言われており、定義はあいまいで諸説あるようです。

茎や葉がまだ青いうちに収穫した完熟前の「未熟」なじゃがいも、新じゃがは、皮がとても薄く水分を多く含んでいます。掘りたての新鮮な「新じゃが」は、手でこすれば向けてしまうほど薄い皮と、水分が多くてみずみずしい味わいが特徴で、ビタミンCも豊富です。収穫直後の新じゃがには、特に皮のあたりにビタミンCがたっぷり含まれています。皮つきのまま食べれてしまう新じゃがだからこそ、できれば農薬や化学肥料を使用せずに育てたものを選びたいですね。

一方の「完熟じゃがいも」は、地上部が自然に枯れた状態になって、地下のいもの栄養分が蓄積され、皮も厚くなった状態で収穫したものを言います。保存に向かない新じゃがに対し、完熟じゃがいもは貯蔵に適しています。

やはり、有機栽培、自然栽培などの方法で育てられたじゃがいもを選びたいですね。さらに、生産者の方が「完熟」の収穫にこだわるじゃがいもなら、きっと美味しいに違いない!

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。