タイ料理は辛いけど、ドレモコレモ、目から汗が吹き出るわけではない。確かに南部料理やイーサン料理は辛いが、中央部の料理はあっけないほど穏やかだ。なんたって今から300年ほど前までは香辛料はチリではなく、胡椒が使われていたそうだ。
こちらでは野菜売り場に必ず生の青い胡椒を見かける。生姜やにんにくと同じ感覚で2センチ程度にちぎって、そのまま野菜や魚介、肉と炒める。私はペペロンチーノのようにパスタに入れるのが気に入っている。
日本に帰省した折、タイの無農薬胡椒を、京都のお料理屋さんのご主人に試食してもらった。
匂いをかぐと「いつも使っているのと全然違う」そうで、私も、かいでみるとピリッ・ツーンではなく、フンワリと複雑な芳香があり、ピリッ感も少ない。胡椒の味まで意識したことはなかったが、その差ははっきりとわかった。
ご主人は「魚料理に合うと思うなぁ」と言っていた。
先日、カンボジアで胡椒の栽培を始めた人から、色とりどりの胡椒が届いた。数年後には有機マークを取得しする意気込みで、現地では試行錯誤が続いている。
胡椒を未成熟の青い味を干すと黒胡椒になる。なんて香ばしくワイルドな風味だろう。
皮をむいて干すと白胡椒になる。芳香は整理され研ぎ澄まされた上品な香りがする。
完熟して赤くなったもの。辛味はグーっと遠のいて、風味はサンショだけど痺れナシと言ったところだ。
タイで暮らしていると、私も少し刺激のあるものが食べたくなる。毎日30度をこす気温の中では、代謝をよくする辛味が必要なのだと思う。長年作っていた、ごま塩も変化した。胡椒を入れることにしたのだ。最初はチリやハーブを叩く石のクロック(タイのすり鉢)に付着していた香辛料の香りが、偶然、ごま塩に移ってしまったのだが、それがとっても美味しく、南国バージョンのごま塩が、出来上がってしまったのだ。
黒胡椒と黒ごま・白胡椒と白ごま・エゴマと赤胡椒
胡椒とゴマの配合具合はお好きなように。調子にのって、色々なバージョンを作ってみた。どれもクセになる。胡椒ごま塩たっぷりで握ったおにぎり。玄米麺の胡椒ごま塩炒め。どちらもピリッと香ばしい。胡椒の風味はチリと違って時間がたつほどに匂いだつので、お弁当にもとても便利だ。
胡椒ごま塩
- 黒ごまと胡椒 大さじ2 (割合は1:1から3:1)
- 塩 小さじ1
- 塩を炒ってすり鉢で擦り、皿に出しておく
- ごまを炒り、胡椒を入れて、すり鉢でごまがつぶれるまで擦る。
- 1を2に入れ、擦り合わせる
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玄米と塩と水のみで作られた12ミリ幅の太麺ビーフンです。乾麺ですが、鍋を使って茹でる必要がなく、水かお湯に10分から30分浸して戻して下さい。戻った麺は炒めて、または汁麺でと、アジア風から洋風のパスタとしてもお使いいただけます。JAS有機認証
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木幡恵プロフィール
20代でマクロビオティックに出合い、30代で雑穀に出合い、50代でタイに出会ってしまった料理クリエイター。ストイックだけど大胆、本気だけど本音であることがたいせつだと思っている。料理活動の場はバンコク。ベジを基本にアジアの調理法を盛り込んだ料理クラス「gaiatable」を主宰。
タイ語のマガジンHEALTH &CUISINEと日本語のタイ情報誌のDACOにレシピを連載中。
自身が企画した商品をヤムヤムから販売している。
■つぶつぶクッキング
■無発酵の雑穀パン
■雑穀つぶつぶクッキング
■おいしいマクロビィオテック (タイ語)
■タイの料理雑誌HEALTH&CUISINE(タイ語)
■タイのマガジンDACO 料理エッセイ「大地のめぐみ」(日本語)
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