5年ほど前にすでにアメリカで人気の兆しがあった「スプラウテッドシード(sprouted seeds)」、発芽種子を使った食品が、ますますブームとなっているようだ。

オーガニックスーパーでは、さまざまな野菜やハーブなどのオーガニックスプラウトがパックされて販売されるとともに、デリではサラダの素材として定着。人気の穀類キヌアなどは、スプラウテッドタイプのものが登場していたり、また、そのようなスプラウテッドフードを粉末状にしたもの、バーやシリアルなどの加工食品もたくさん増えてきている。サプリメントなど健康食品にまで利用されているのには驚く。

スプラウトやスプラウテッドフードは、もう一部のベジタリアンやローフード愛好家のものだけではなくなっており、ナチュラル&ヘルスフードとして幅広く利用され、日常の食生活に根付きつつあるようだった。

ファーマーズマーケットでは、日本でもおなじみのアルファルファやブロッコリースプラウトのようなものから、バックウィート(蕎麦の芽)、サンフラワー、クローバー、フェヌグリーク、ラディッシュ、フェンネル・・・など、たくさんの種類のスプラウトが、まるで芝生のように栽培された状態で、量り売りで販売されていた。日本のファーマーズマーケットなどでは、衛生面を考えるとこのような販売方法は、なかなか受け入れられにくいことかもしれない。

また、アーモンドやピーナッツ、パンプキンシード(かぼちゃの種)、サンフラワーシード(ひまわりの種)、レンティル豆、グリーンピースなどの豆類、種子類のスプラウテッドも袋詰めなどで販売されている。自分で種を発芽させるには、つねに水を衛生的に保ったりなど管理も大変なので、すぐにそのままサラダなどで食べたり、料理に利用可能な状態で購入できるのはとっても便利だ。

これらも生の状態では大変保存が難しいもの。自分で種から育てるスプラウト、スプラウテッドシードは、既に日本でもローフーダーの間で実践されている方もいるが、それなりのニーズがなければ商売として成り立たない。

まだまだ、日本では販売が難しいかもしれない。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。