ナチュラル&オーガニックラーメンは袋入りから、カップ入りの時代へ。環境に配慮した容器でありながらも、より簡単で便利に。そして、麺やスープの美味しさとヘルスベネフィットを追求しながら、進化を続けている。


メーカーによっても異なるが、基本、容器の素材は紙でシュリンクなし。オイルなど液体は別として、粉末スープの小袋も紙製にし、環境への影響を少なくしているものもある。


麺だけなら取得しやすかったオーガニック認証も、やはりカップの場合はスープや具材が必須となるので、認証マーク取得が難しいが、もちろん化学調味料は不使用。原料の多くはオーガニックのものを使用している。

今回の「Natural Products Expo West 2019」では、ヴィーガン、ベジタリアン向けに、スープには肉や魚などの動物性原料を使用しないカップ麺が多かった。動物性の出汁ではない代わりに、昆布を使っているものも。アミノ酸や化学調味料は使用しない。

ラーメンといえば麺は小麦だが、近年のグルテンフリー人気もあって、売り場では米の麺、ベトナムのフォーが目立つ。

そして、ラーメン=日本のイメージはあるものの、スープは塩、味噌、醤油といった定番より、アジア・エスニック系のスパイシー系が主流で、バラエティも豊かだ。

ヴィーガン、ベジタリアン向けが人気の一方で、BONE BROTH(ボーンブロス)ブームの影響から、オーガニックチキンの骨やグラスフェットビーフの牛骨を使用しているなど、麺だけでなくスープのうまみにもこだわったラーメンも多く見られた。

そんな中、会場でひときわ目立っていたのが、“THIS IS RAMEN 2.0”を掲げていた、USDA認証のオーガニックラーメン。

一般的なインスタントラーメンとは少し違って乾麺ではなく、スープはオーガニックのボーンブロス。麺とブロスの鮮度や美味しさを保つために、冷蔵保存するタイプだ。容器は紙製ではないが、環境への影響を最小限に抑え、何度も再利用するのに十分耐久性のあるポリプロピレンを使用。メーカーとしては、食べた後はすぐに捨てずに小物や軽食の保存などにも活用してもらい、最後、捨てるときにはリサイクルBOXへ・・・という考えとのこと。

このオーガニックラーメンは、カップの蓋部分に麺が、下にスープ(ブロス)が入っている。麺をブロスに落として、レンジで3分ほど加熱する。お湯を注いで3分待つ、一般的なカップ麺と変わらぬ手間と調理時間で食べることが可能だ。

インスタントでありながらもより美味しさや栄養、フレッシュさも追求。ボーンブロスという流行もとらえつつ、現代のライフスタイルに合わせて便利さや手軽さも実現。

袋からカップ麺の時代、そしてその先へ。
オーガニック系ラーメンはさらに進化を続けていた。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。