宗教的な理由からベジタリアンが多い台湾。そういった背景もあってか、健康意識に感度の高い消費者が多く、自然食品、オーガニック食品を扱うお店もとても多い。そんな台湾の輸入品を多く取り扱う高級スーパーマーケットでは、オーガニック食品の品ぞろえがとても充実していた。商品の種別の他に、性質や機能、目的などにより区分されたグロッサリー売り場を展開していたのでご紹介したい。

カテゴリー毎のアイキャッチサインとその説明が中国語と英語にて表記されている。什器の一番上に設置されているため、背の低い方や、置かれる商品の高さによっては若干説明文が見えにくいのはともかくとして、売り場のコンセプトが明確となるグルーピングだと思う。

  1. 有機食品(organic):オーガニックフード
  2. 高繊食品(high fiber):高食物繊維
  3. 零穀蛋白膠質(gluten free):グルテンフリー
  4. 非乳製食品(daily free):乳製品不使用
  5. 代餐食品(diet alternative):ダイエット対応
  6. 低脂食品(low fat):ローファト、低脂肪
  7. 低塩食品(low salt):減塩

商圏内の顧客ターゲットを、台湾で生活する欧米人としているからこその棚割なのかもしれないが、このお店はオーガニック専門店でもドラッグストアでもなく、輸入食材を主としたスーパーマーケットの売り場の一部だ。日本のスーパーマーケットでも、有機農産物をはじめオーガニック食品の取り扱いは増えてきている。が、このように健康志向ユーザーを意識した売り場構成、情報発信をしているところは、まだまだ少ない。

とりわけ、GLUTEN FREE(グルテンフリー)に関してなどは、日本でコーナーを設けているところはほとんど無いのではないだろうか。おそらく台湾でも、まだそう消費者に認知されている言葉であるとは思えない。

それでも、このように早くから健康への感度の高いお客様に対する新しい提案をして未来の顧客を発掘し、育成しようとする姿勢は見習うべきところがあると思う。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。