一般の食品に比べて説明が必要なものが多い、ヘルス&ビューティ商材。健康志向の製品を扱ううえで、小売店が最も注意しなければならないのが、POPやちらしなどの販促物などに書かれる説明文や表現です。薬機法(旧薬事法)に抵触しないように、効果効能などを直接的な表現を用いてはならないのは、周知のとおり。さらに食品では、有機JAS認証を取得していなければ「オーガニック」「有機」と謳うことはできません。

伊藤忠食品株式会社による展示会「FOODWAVE 2018 TOKYO」では、様々な商品の提案にとどまらず、実際の売場でどう魅せるか?どう表現するか?など、具体例なども挙げてアドバイスすることで、販売を後押ししていました。

例えば、今期力を入れている商材「アスレチックフード」の場合。

「アスレチックフード」は不足しがちなたんぱく質を、手軽に効率よく補うことができる、高たんぱく食品のことを意味します。もともとタンパク質は体作りに欠かせない栄養素ですが、本格的にトレーニングに励むアスリートの方だけでなく、年齢や性別を問わず健康意識の高い方の間でもトレンドとなっています。

一般的に、プロテインを代表とする「高たんぱく食品」は、強靭な筋力や体を手に入れたいとか、ウエイトアップしたいとき、ダイエット中の方なども摂取するイメージがありますが、実際販売する場においては筋肉などの部位を用いて効果を表現することはできません。「健康維持」「トレーニング後の栄養補給」といったやわらかな表現なら可能です。

※特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品など、機能性を表示することができるものもあります。

テレビをつければ、毎日どこかのチャンネルで健康番組を目にします。また、ネット上でも様々な健康情報が飛び交っていて、ブログやSNSなどを用いて誰もが手軽に情報発信を行えます。テレビ番組やネットなどでその効能が紹介されているからといって、特定の素材や商品がどのような効果をもたらすのか?を安易に表現することはできません。

伊藤忠食品は実際に商品を販売するにあたり、売場でどのような言い方が使用でき、どのような表現に注意が必要なのか?もアドバイス。直接の取引先となる卸が、メーカーや生産者同様に深い専門知識を持っていることは、店舗で販売する方に心強い味方となりますね。

商品を仕入れ、小売業者に商品を販売する(卸す)のが卸売業の主な役割ですが、これからは生産者と小売業者の間の情報の架橋に。トレンドや市場の動きを素早くキャッチし、小売店やメーカー等の関係者にフィードバックするという、重要な役割も担っています。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。