もうすぐ、梅雨の季節。新学期・進学・転勤など環境の変化が激しい4月・ゴールデンウィークが終った後の倦怠感を感じる5月・そしてジメジメシトシトと続く鬱陶しい梅雨の季節6月とこの時期は身体の不調とともにメンタルの不調を感じる人が多くなります。そんな、なんとなく調子が悪いときに、アロマテラピーはとても活躍してくれます。

精油は、香りを嗅いだ瞬間に心身のスイッチを動かすパワーを持っています。ひとつひとつの精油に、薬理効果を持ついくつもの芳香成分が詰め込まれていて、精油を数種ブレンドすることによって、そのパワーが広がりを持ちそして強くなります。例えば、リラックス目的でブレンドをしたものでも、その作用は、鎮静だけでなく、抗菌や鎮痛など違った側面からもアプローチを施してくれることがあります。そして、芳香目的でブレンドしたものでも、天然の精油は、意識しなくても心身にいつのまにか作用します。これが、アロマテラピーの凄さです。

だからこそ、良い品質の精油を選ぶことが重要です。丹念にブレンドされたオイルは、心身両面のバランスを整える手助けをしてくれます。

メドウズのシナジーブレンドを例にとってみましょう。

メドウズシナジーブレンドの中のモッジブレンド。いわゆる虫が嫌がるとされる香りのブレンド。メドウズのプロダクトは、すべて創業者であるダーリン・ペインがブレンドをしていますが、これも彼の手によるものです。

日本のアロマテラピーの普及に貢献した虫対策アロマですが、今や夏に近づくにつれ特設コーナーができるほど、当たり前の存在となっていますね。どのブランドのものを選ぼうか悩むくらいです。同じ虫対策アロマでもブレンド内容は異なり、個々のブランドの特色があります。

メドウズのモッジブレンドもレモンユーカリやシトロネラなど昆虫忌避作用をもつ精油をブレンドした虫対策アロマですが、ダーリン・ペインは、これに真正ラベンダーの精油をプラスしました。

これは、レモンユーカリやシトロネラは比較的強い香りを放つ為、真正ラベンダーを加え、全体の香りにまろやかさを持たせることで、子供や香りが苦手な人の負荷を和らげる為です。又、レモンユーカリの芳香成分のひとつ“シトロネラール”は皮膚刺激を持つことから、真正ラベンダーなど皮膚刺激の弱いとされる精油をブレンドすることにより、皮膚へのアプローチを緩和してくれます。(*精油を直接肌につけることは禁忌です。肌に使用する場合は、必ず、キャリアオイルなどで希釈をしてから使ってくださいね。)

こんな話を聞かなければ、ただ単純にポピュラーな真正ラベンダーをプラスしただけのように見えますが、実は繊細な計算があったのです。

本来の目的である、“アロマで虫対策”を心地よく安心して体験できて、メンタル面にもアプローチするようなきめ細やかな配慮がなされているのですね。

ここで、ブレンドのテクニックをほんの少しだけお話ししましょう。

1.目的を決める

リラックス・安眠・リフレッシュ・シーズンケアなど、何に使いたいかを決めます。

2.目的に則した精油を選ぶ

それぞれの精油には、様々な芳香成分が存在します。
リラックスを図りたいのであれば、鎮静効果の高いとされる精油を選び、
除菌目的であれば、抗菌作用の高い精油を選びます。

3.香りの強弱をみて、全体の香りのバランスを図る

ブレンドの際には、精油の組み合わせのみならず、香りの強さにも目を向けます。これはブレンドファクター(BF)といわれるもので、1滴の精油が放つ香りの強さです。
BF1>BF2>BF3>BF4>BF5>BF6>BF7というように、数字が小さいほど香りが強くなります。いくら効果があっても、香りが強すぎて気分を悪くしては元も子もありません。全体のバランスを見て、香りが強く放たれる精油と弱めの精油をうまく組み合わせ、調整します。

ブレンドに慣れてきたら、精油の揮発度を考えてみると、もっと香りに奥行きがでてきます。精油は、トップノート・ミドルノート・ベースノートと揮発の速さがそれぞれ違います。

トップノートは、滴下した瞬間から分かる香りで10分から30分程度香りを感じます。代表的な精油にオレンジ・グレープフルーツなど柑橘類、ラベンダーなどがあります。

ミドルノートは、30分から2時間程度香りが持続します。イランイランやローズオットー、ゼラニウムなどがあります。

ベースノートは、2時間から長くて2、3日も香りを感じるもの。フランキンセンスやサンダルウッドなどがあります。香り立ちが早い、オレンジやレモンなどの柑橘系だけでブレンドすると、香りの持続力がないので、ベースノートのサンダルウッドなどをプラスすると、グーンと香りに奥行が出てきます。

虫が嫌がる香りによく使われる精油であるレモンユーカリ・レモングラス・シトロネラは いずれもトップノート。虫よけブレンドの香りは、得てして同じ印象をもつのがこのためです。メドウズでは、この印象を和らげる為に、同じトップノートのフローラルな香りの真正ラベンダーをプラスして第一印象の香りをやわらげ、そして忌避効果を持ち尚且つ、香りの持続性のあるシダーウッドアトラスでその効果を後押しする感じになっています。
奥の深さを感じますね。

余談ですが、ダーリン・ペイン氏は、同じ学名の精油でも、産地の違うものをブレンドすることで、香りの深みを追及します。

例えば、メドウズ オーガニックシアバーム ラベンダー。
ともすると、他ブランドとの差別化が難しくなるラベンダーの香りですが、産地の異なる3種の真正ラベンダーの精油をブレンドすることで、独自のラベンダーの香りを醸し出しています。

いろいろなブランドのブレンドオイルがありますが、こんな奥深さがアロマテラピーの醍醐味です。メドウズにも、モッジブレンドの他に11種類のブレンドオイルがあります。その日の気分や体調に合わせて、目的に則した香りを手軽に変えられるブレンドオイルは、鬱陶しいこの季節に、特に活躍します。

この記事を書いた人

Naomi Miki アロマプランナー
アロマ商材輸入卸会社に10余年従事した後、自然化粧品メーカー・医療従事者向けセラピスト国際ライセンススクール等に携わり、物流・商品管理・PR・営業・商品開発・WEB管理・新規店舗立ち上げ・企画と多岐にわたる部門を経験。現在はフリーランスで活動している。長年アロマセラピーの現場で培ってきたノウハウと精油や自然化粧品を製造し取り扱う業者としての視点から、精油の品質やアロマセラピーの基本、自然原料やオーガニックコスメについてなど、自身のライフスタイルを交えて伝える講習活動や、企業PRや商品企画など幅広く対応している。