ダーリン・ペインが地元の子供たちに向けて、オーガニックフレグランスのワークショップを行いました。イギリスの大地から摘み取られた色とりどりのハーブをフラスコに封じ込めアルコールを加えます。出来上がりは、約1か月~3か月後。どんな香りが出来上がるのか?今からワクワクしますね。

このフレグランスはハンガリアンウォーターと基本的な作り方は同じ。「若返りの水」や「ハンガリー王妃の水」と優美な名を持つハンガリアンウォーターは、今から約700年前の14世紀ごろ生まれ、強いアルコールとローズマリーを蒸留し作られたと書物に記載されています。身近なハーブのローズマリーは肩こりや神経痛、筋肉痛を和らげるとともに高齢期の悩める症状緩和に適合するため若返りの水と呼ばれたのではと言われています。

このハンガリアンウォーターが生まれた背景には「蒸留酒」の存在も欠かせません。古代の錬金術師は蒸留技術を用いて金の精製を行っていました。この蒸留器で植物を発酵させて作られた醸造酒を蒸留し出来上がったものが蒸留酒です。この蒸留酒は、生命の水~アクアヴィーテ~とも呼ばれ薬用効果のある薬酒として珍重されました。

植物とアルコールの出会いがもたらしたハンガリアンウォーターと蒸留酒。ともに薬として珍重され、特にハンガリアンウォーターは最古の香水とも呼ばれ、アロマテラピーの原型とも言われています。

なぜ、ハンガリアンウォーターが最古の香水と言われるのでしょうか。それは14世紀ごろに活躍し、香水好きで知られるフランス王シャルル5世にハンガリアンウォーターが献上されたから。それから400年もの長きにわたりヨーロッパの人々はハンガリアンウォーターを香水や薬として日々の暮らしに愛用したのです。人々の日常の積み重ねが歴史を作り、その歴史が育むアロマテラピーは、まさにこのハンガリアンウォーターのように今でも親から子へ毎日の暮らしの中に受け継がれています。

ダーリン・ペインが近い将来に世に送り出したいと日々研究を重ねるプロダクトはオーガニックフレグランスです。彼が香りに興味を持ったきっかけは、調香師であった父親とともに子供のころに作ったオリジナルの香水でした。ベルガモットや安息香などをブレンドしたシンプルな香り。香りの世界に魅せられたダーリン・ペインは将来香りの仕事に就くことを志すとともに、父親の背中を見つめ、追い越すことを目標に努力を重ねたのです。

アロマバームやアロマスプレー、バスソルトなど2種類以上の精油を使用して作られるメドウズのプロダクトは、精油が持つ効果だけではなく彼にしか創造することができない香りのシナジー(相乗)効果も大切にしています。

その人気は、彼が作り出す独特且つ魅力的な芳香にあるようです。このように、香りに強いこだわりを持つダーリン・ペインは、いつかオリジナルのナチュラルフレグランスをプロデュースすることが夢でした。父親から受け継いだ香りのレシピにダーリン・ペインの感性を加えたそのオリジナルフレグランスもきっとアロマテラピーを次世代へつなぐ橋渡しをしてくれるでしょう。

一般的に香水というと、香りの表現の幅や香りの持続性・拡散性を求めるため、合成香料をブレンドする率が高く、特に日本ではその強くきつい芳香から香水を敬遠する人を多く見受けます。百貨店の化粧品売り場に行くと、その強い香りで頭が痛くなったり、気分を悪くする人がいますが、石油系原料で作られる合成香料には、神経系統や内分泌系へ影響も懸念されています。香水ではありませんが、柔軟剤ブームの中、ベランダに干された洗濯物から放たれる柔軟剤の強い香りが問題視されたことは記憶に新しいことですね。

しかし、自分からよい香りが放たれることを嫌う人は少なく、むしろナチュラルなやさしい草花のよい香りのフレグランスはメドウズでも多くの人からのリクエストがあります。小さな子供を持つお母さんや職場や家庭のなかでも安心して使えるオーガニック精油だけで作った魅惑のナチュラルフレグランスがもうすぐメドウズに登場予定です。彼は、この癒しの香りをいつでも自分の身の回りで芳香させることができる香水を目指しています。大人も子供も、良い香りの中で心と体のバランスをとることができる癒しのオーガニックフレグランスが待ち遠しいですね。

この記事を書いた人

Naomi Miki アロマプランナー
アロマ商材輸入卸会社に10余年従事した後、自然化粧品メーカー・医療従事者向けセラピスト国際ライセンススクール等に携わり、物流・商品管理・PR・営業・商品開発・WEB管理・新規店舗立ち上げ・企画と多岐にわたる部門を経験。現在はフリーランスで活動している。長年アロマセラピーの現場で培ってきたノウハウと精油や自然化粧品を製造し取り扱う業者としての視点から、精油の品質やアロマセラピーの基本、自然原料やオーガニックコスメについてなど、自身のライフスタイルを交えて伝える講習活動や、企業PRや商品企画など幅広く対応している。