植物本来の香りを探し求めて

メドウズの創業者ダーリン・ペインが大切にしている言葉です。

アロマテラピーで広く利用されるエッセンシャルオイル。その含有成分の構成比だけでなくその香りの良し悪しが大切なのは、ダーリン・ペインだけでなくアロマテラピーに携わる方なら誰もが納得されることでしょう。エッセンシャルオイルに含まれる芳香成分が、人間の嗅覚から脳の大脳辺縁系や視床下部など自律神経を司る器官に直接働きかけを行い、心身にプラスの作用をもたらします。成分がいくら優れていても、人間にとって心地よい香り、すなわちいい香りでなければ、アロマテラピーのひとつの働きである「芳香療法」を効果的に行うことはできません。そのため、ダーリン・ペインは植物本来の香りの探求をこれまで何年にもわたり続けてきました。

香りの良さを大切にしているのは、エッセンシャルオイルだけではありません。ローズウォーター、エレファントバームやシアバームでもメドウズの商品作りはまず香りの良さを追求するところから始めます。

ところで、ダーリン・ペインの言う植物本来の香りとはどのような香りを指すのでしょうか。全ての植物から抽出した香りはそもそもが「植物本来の香り」ではないのでしょうか。答えはNOです。「倫理的」に育てられた植物にしか植物本来の香りは存在しないとダーリン・ペインは言います。

倫理的とは、農薬や合成肥料を使わずその植物が太古から備える生命力を基に、健やかに育てられる状態を言います。遺伝子組み換え作物の禁止はもとより、単位面積当たりの作付量の制限、過作付(二期作、二毛作)の禁止、人工授粉の禁止等で人間は、植物がその生命力を存分に発揮し、力強く成長できる環境を守るためだけに存在します。太陽の光を全身に受け、たくましく育った植物にこそ、その植物本来の香りと成分を蓄えることが許されるとダーリン・ペインは信じており、その考えに共感する世界中の生産者がパートナーとなりメドウズの商品作りを支えているのです。

私たちのブランドmeadows(メドウズ)は「自然」を意味します。植物の恵みをありのままお客様へお届けする。いわば「自然の状態」を大切にすること。ブランド名にダーリン・ペインが込めた商品作りへの想いです。

誰もが使える商品作り

生活のリズムが速く、毎日自分を見失いがちな現代に生きる私たち。人間生活の基本である衣食住が軽視され、最近では手軽さが重視されています。しかし、人間はそもそも自然界に所属し、植物とは切っても切れない関係にあります。そこでダーリン・ペインはそのような現代人にこそ植物の恵みと共に、自然界の中にある自分をもう一度思い起こしてほしいと考えています。

2010年に発売されたメドウズオーガニックフローラルウォータートラディショナルブルガリアンローズと、2017年に発売されたメドウズオーガニックシアバームは、誰もが手軽に使える商品のひとつとしてメドウズから提案されています。

■ メドウズ オーガニックフローラルウォーター 
トラディショナルブルガリアンローズ

◎商品の特徴
a.ブルガリア産オーガニックダマスクローズをふんだんに使用し、雪解け水で蒸留したローズウォーター。
b.ブルガリア最古の蒸留所(1877年創業)で、昔ながらの銅窯を使用し手作業で蒸留。
c.ダマスクローズ本来の香りを守るため、厳格な鮮度管理を行い航空機で日本へ輸送。完全無添加、無調整。
d.ロットごとに細菌、カビ検査を食品分析センターで行い高い安全性を実現。
e.スプレー付、250mlの大容量でありながら2,200円という低価格を実現。気候変動によるローズの不作などで原価は発売当初から1.6倍に上昇しているものの、企業努力により当初の価格を維持。

2009年、私が輸入代理店を引き継いだ時改めて商品ラインナップを見渡してみると、初めての方がすぐに使える商品が少ないことに気づきました。どのメーカーにもエッセンシャルオイルやキャリアオイル以外に、マッサージオイルや美容クリームなどアロマテラピーの入り口としてアピールできる商品があり、メドウズにも必要と思いました。そして私が強い魅力を感じたのはフローラルウォーターです。

本国にはローズ以外にもネロリ、ラベンダー、カモミールなど多くのフローラルウォーターがラインナップされています。私たちもなるべく多くの商品を導入したかったのですが、防腐剤や保存料を加えることなく長期間の保存に耐えられる商品はローズのみでした。そこで、メドウズは安定性が高くフローラルウォーターの中でも人気の高いローズのみを発売することにしました。

ローズウォーターはその昔から薬用、美容、宗教目的と幅広く利用されてきましたが、現在では主に女性のスキンケア(化粧水)として利用されています。アトピーやアレルギーで市販の化粧水に含まれている保存料(パラペンやフェノキシエタノール)が肌に合わず、湿疹やかゆみで悩む方が多く、ローズウォーターを化粧水の代わりに利用する人が増えています。中には化粧水だけでなく、乳液やクリームも自然由来のものに変更することで、お肌が持つ自然治癒力を生かしたスキンケアに切り替える方も多く、結果として現在の手作りコスメ、オーガニックコスメに繋がっています。

シュッとスプレーするだけで、お肌には潤いを与え、なおかつバラの芳香成分で女性ホルモンの働きを活発にしインナービューティーを実現。ローズウォーターは多くの女性に本当の美しさをもたらします。

■メドウズ オーガニックシアバーム 50g

◎商品の特徴
a.アフリカの潤いと呼ばれるオーガニックシアナッツバターに、オーガニックエッセンシャルオイルを加えた保湿用バーム。
b.「赤ちゃんの乾燥で困っている」というお母さんが探し求める「刺激が少なく赤ちゃんでも安心して使える保湿用のバーム」を実現。赤ちゃんだけでなく、子供や大人でも幅広く使える。
c.お顔用、ボディ用等用途別に5種類をラインナップ。多くの方の要望を満たします。
d.肌の乾燥だけでなく、髪の毛のパサつき、お顔の保湿、ネイルケア等にも使用可能。シアナッツバターは少量で良く伸びるため全身くまなく使用しても、1g程度の使用量。

オーガニックシアバームは2017年に発売されたメドウズで一番新しい商品です。原料となるオーガニックシアナッツバターは、ガーナやウガンダなど西アフリカに幅広く自生するシアバターの木から採取されるナッツに含まれる脂肪分(仁)を手作業で取り出したもので、オレイン酸やステアリン酸を豊富に含み肌を乾燥から守ります。常温で固形、36度程度で液体になるため、使用前には少量を手で溶かし、擦り込むように塗り拡げて使用します。高い保湿力を誇り、強力な太陽から降り注ぐ紫外線にさらされるアフリカの女性を乾燥から守ってきたことでも知られています。

そのシアナッツバターに、メドウズのオーガニックエッセンシャルオイルを加えた保湿バームが、メドウズオーガニックシアバームです。そもそもは「赤ちゃんの乾燥に悩むお母さんからの声を受け、赤ちゃんが安心して使える保湿剤」として企画されました。その後、ローズやネロリなどのフェイスケア用、ラベンダー、カモミールのマルチパーパス、ティートリーのヘルスケア用と5種類に拡充され発売に至りました。

このようにメドウズの商品は香りの良さを大切にしながら、誰もが毎日使える商品の拡充に努めています。そして最後にメドウズの商品作りで大切なこと、それはすべてをハンドメイドで仕上げることです。機械を使わず、長年メドウズで商品作りを続けるスタッフが、生産者とお客様に思いを馳せながらひとつひとつ手作業で商品を作っていきます。

自然の温もりを大切に、だからこそ人工物である機械を使用しない。メドウズの商品作りには、「自然」がたくさん隠されています。

この記事を書いた人

鈴木 壮哉
株式会社メドウズアロマテラピープロダクツ代表取締役。東京でのサラリーマン生活を経て、アロマテラピー用品のオンラインサイトを立ち上げる。2009年から国内輸入代理店としてメドウズ商品の販売を開始。小売とメーカー両方の経験からお客様の声を大切にした商品づくりを心がけている。近年はヨーロッパのサプライヤー開拓に力を入れており、イギリスだけでなくアロマテラピーの本場フランスの企業からもエッセンシャルオイルの輸入を行い、同業他社向けのOEM事業を強化している。