Living Food (リビングフード)、Raw Food(ローフード)に使われる食材としても認知されているスプラウト(sprouts)は、もやしやかいわれ大根、豆苗やそば芽などに代表される種子や豆から発芽した植物の「新芽」を指す。

最近ではアルファルファやブロッコリー、マスタードのスプラウトなど、今やスーパーでも普通に販売されるようになったので、もう広く認知されている。このスプラウト、ベジタリアンの方やローフーディスト(raw foodists)たちの間で、種の状態から発芽させる「スプラウティング」もじわりと人気上昇中だ。

海外では、さらにその一歩先を行っているようだ。なんと、スプラウテッドシード(sprouted seeds)、発芽種子を使った食品があるのだ。しかも、RAW FOODで、ORGANICで、だ。

なんともマニアックかつチャレンジングな商品で、面白い。

そういえば、日本でも「発芽玄米」というものがある。玄米は、脱穀によって取り離した種子(籾)の一番外側の籾殻を除去したもの。籾殻を取り除いてしまっても、種として玄米は生きており、水と温度を加えると芽が出てくる。この玄米に水分を含ませわずかに発芽させた発芽玄米は、酵素が活性化しビタミンやミネラルなどの栄養価が高くなるとともに、通常の玄米よりも軟らかくなり食べやすさも増す。

実は家庭でも「生きた玄米」ならば、水に1~3日浸せば、発芽玄米は簡単にできる。しかしながら、水に浸すということは腐りやすくもなり、またいったん発芽すればその後どんどん成長を続けていくもので、そのままの状態をキープすることは大変難しい。そこで、時間をかけずいつでも簡単に炊けるよう、加工された「発芽玄米」が商品化され販売されるようになったのだ。

この発芽玄米同様、栄養価を高め、柔らかくして消化吸収力を高めることを目的に、南瓜の種、ヒマワリの種、亜麻仁種子などの種子類を発芽させた「スプラウテッドシード(sprouted seeds)」を、RAWのままバーにしたりホールの状態のまま、商品化されているものがある。

Sprouted Organic Sesame Seeds(オーガニックのごまを発芽させたもの)を使ったRAWクッキー

RAWだから、菌の繁殖や発酵が進んだり、腐敗や変質がしやすく、製品化すること、通常の流通にのせることは極めて難しいものと思う。製品を輸入すること自体、もしかしたら難しいかも。

近いうちに日本でも、スプラウテッドシードが注目されるようになる?だろうか。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。